現代日本の母親は「頑張りすぎ」とよく言われます。夫が長時間労働で不在がちの「ワンオペ」家庭も多く、子どものためを思って頑張れば頑張るほど疲れてしまい、うつ状態に陥ってしまうママも。
そんな頑張りすぎて疲れてしまったママのひとりが、今回ご紹介する書籍『家事なんて適当でいい!』の著者・ボンベイさん。現在は5歳の長女と2歳の双子の3姉妹を育てているワーキングマザーですが、長女出産時に初めての育児を完璧にこなそうと必死になるあまり、ノイローゼになってしまったそう。
その経験から、「死なせない育児」を提唱し、家族と笑顔で生きることを最重要ミッションとして、それまで「完璧にしなければ」と思っていたことのいろいろを手放し、育児を楽にする方法をSNSで発信しています。
今回は、ボンベイさんの育児法をまとめた『家事なんて適当でいい!』より、「育児を楽にする考え方」を紹介します。
母親として自信のある人はいない
子どもが生まれたその日から、女性は「母親」になります。妊娠中に育児書である程度勉強をしたとしても、赤ちゃんのお世話をするのは、すべてが初めての連続。「これで合っているかな?」と不安になることばかりです。
いつの時代のどんな母親も、自信たっぷりに子育てしている人はいません。
子育ての悩みは子どもの個性やきょうだい関係、母親自身の資質や子どもの年齢などによって際限なく湧き上がってきて、いくら努力しても悩みが完全になくなることはないのです。
そんなときに大事なのは、「完璧であろうとしないこと」だとボンベイさんは言います。ボンベイさんは、完璧に育児しなきゃ、と自分を締め付けて育児をしていたとき、その努力に見合う態度を子どもにも求めてしまい、子どもが応えてくれないときに腹が立ってしまったそうです。
母親自身が「私は私のままでいい」とありのままの今の自分を受け入れることで、子どものことも「この子はこの子のままでいい」と肯定的にとらえることができます。
いつもそばにいることが愛情じゃない
子どもを保育園に預けて働いているワーキングマザーに多いのが、「小さいうちから預けられて、ママと一緒にいられなくて子どもがかわいそう」という外野の声や、自分自身の罪悪感との戦い。
ですが、ボンベイさんは自身の経験から「子どもが親と一緒にいることだけが愛情のバロメーターではない」と断言しています。
子どもは親だけでなく、さまざまな人との関わり合いの中で成長します。親からの愛情をしっかり感じられていれば、一緒に過ごす時間が短くても「かわいそう」ではないのです。
まず親が自分らしく生き、その生きざまを短く限られた時間で子どもに伝えることが重要。親子での時間の過ごし方は家庭それぞれ。家族がその状況に納得していて、子どもも親からの愛情をきちんと感じられていれば、どういう形態をとっていようと誰からも文句を言われる筋合いはないのです。