言わなくてもわかってほしいをやめる

親しい相手、特に夫婦間で起こりがちなのが「言わなくてもわかるよね」という感情によるすれ違いです。

「わかってるはず」と言葉にしないでいたら意外と伝わっておらず、お互いに不満をため込んで、ある日爆発……というケースも多いのでは。

ボンベイさんも長女を出産した頃に義両親と同居しており、気持ちをうまく伝えられずため込んで「どうして私ばかり大変なの」と負の感情に支配されてしまったそう。その経験から、双子を出産するころには義両親にも積極的に自分のことを話し、理解してもらう努力をしたといいます。

相手に勝手に期待してコミュニケーション不足に陥ってしまっているときは、「どうしてわかってくれないの?」と嘆くのではなく、単純に要望や気持ちを相手に言葉で伝えるだけで簡単に分かり合えることもあるかもしれません。

酸素マスクは親が先に着ける

子どもがいると、「なんとしてもこの子だけは守らなくては」と、自分を犠牲にしてでも子どもを優先しがちです。

ですが、「親が倒れたら、子どもは守れない」とボンベイさんは言います。

その例として、飛行機では、酸素マスクをつける説明のビデオで「必ず親が先に酸素マスクを着けてから子どもに装着するように」という指示があります。意外と思うかもしれませんが、確かに親が先に倒れてしまったら、誰が子どもを助けられるのでしょうか?

長く続く子育てで、自分を犠牲にするようなやり方をしていたら10年20年と子どもの面倒を見続けたり、子どもを笑顔にしてあげたりすることはできません。

子どもが大切だからこそ、その子を守るべき自分をもっと大切にする。ボンベイさんのこの考え方は、育児に疲れていっぱいいっぱいになってしまったときこそ思い出したいですね。

子どもが生まれると、もともとそういうタイプでなかったとしても「母親なんだから完璧であらねば」という謎の完璧主義が顔を出したり、子どものためにあれもこれもと頑張ってしまいがち。

でも、一番大事なのは親が笑顔でいることです。それだけで子どもは自然と笑顔になれます。ボンベイさんの著書は、そのことを教えてくれる一冊。本書を読んで、ぜひもっと育児を楽に、楽しんでくださいね。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。