えっ?東京ガスで電気を買う?

今回、大きく注目が集まっているのは電力の「小売り」会社です。再生エネルギーを利用して発電する会社があるかと思えば、携帯電話会社や石油会社、ガス会社などが参入し、電気代の割安提供をアピールしてきているからです。

理屈として言えば、東京電力等と競争を行うわけですから、新規参入する会社がもっと割安の電気料金を提示される可能性が高まります。電気とガスの請求事務コストをひとまとめにすることで効率化をはかり、割安の価格設定にすることも考えられます。

セット割引については、各社がいろいろチャレンジしてきており、石油会社がガソリンスタンドでのガソリン代のセット割引を提示してきたり、携帯電話会社が携帯電話料金とのセット割引を提示してきています。

また、ポイントが貯まるというアプローチもあります。利用料金に応じてTポイントカード等にポイントが貯まれば、実質的な割引になります。特定のクレジットカードを利用すればポイントバックされるような割引も出ているようです。

いろんな業者が、それぞれの得意分野を意識しつつ電力小売りに算入してきているわけです。

チェックポイントは? オススメはどこ?

まずは割引額がどれくらいになるか、自分の家庭の利用状況から試算をしてみるといいでしょう。電気料金の検針票をみつけて、比較サイトを利用したり、検討候補の電気小売業者サイトで情報を入力することでシミュレーションができます。

比較サイトは 価格.comエネチェンジYahoo!ジャパンなどの電力自由化特集ページが便利です。それぞれ比較検討用のコーナーもあります。

東京電力などの現状契約している電気会社が個別に郵送してくる新料金プランのお知らせなどもチェックしましょう。電気の利用料が大きい場合など、実際の利用料金をベースにシミュレーション結果が示されています。

このとき、注意点をいくつかあげておきますと、

(1)「初回契約特典」的な一時的な割引に踊らされないようにすること(最初だけしか割引効果がない)

(2)自分が利用しない優遇をお得と誤解しないようにすること(例えばマイカーがないのにガソリン代割引を年間節約金額に加味するのはおかしい)

(3)2年契約プランのお得なプランが多いが、中途解約時に解約費用がかかる条件を確認しておくこと

などを意識すれば、どちらがお得か比較検討がしやすくなります。

選択肢が多くて迷ったら、「今の電力会社のおすすめプラン」と「ガス会社、石油会社、携帯電話会社の新プラン」に絞って比較してみてはどうでしょうか。

ギリギリまで見極め、後悔のないプラン選びを

新規参入している電力小売り会社がすべてお得とは限りません。ホームページがきちんと完備されておらず情報をしっかりチェックできないところもあります。再生可能エネルギーの発電を行う発電会社を選んだ場合などは、割安にならない、という可能性もあります(割安になるところももちろんあります)。

さらに困ったことに各社の料金プランも「後出しじゃんけん」の様相があって、よりお得なプランがさらにでてくることも考えられます。4月1日の電力小売りがスタートするギリギリまでねばって、後悔のないプランを選択したいものです。

もし、今すぐ決めきれないと悩んでいる人、あるいは比較検討する時間がないという人がいたら、あわてなくても大丈夫です。4月に入って落ち着いてから決めてもいいと思いますよ。

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会