(母乳)
昔・・・1970年代は、母乳よりも粉ミルクのほうが栄養価が高いとされていた。
今・・・母乳が出る人には母乳育児が推奨されている。
(母乳をやめる時期)
昔・・・1歳前までには断乳といってお乳を止めさせなくてはならないとされていた。
今・・・いつまでも欲しがるだけ飲ませていてOK。 “断乳”という言葉はもうなく“卒乳”と言われているくらいである。
私の母は断乳するために、乳首に“熊の胆(くまのい)”といって熊の胆汁を乾燥させた苦い生薬を塗ってお乳を止めさせました。大好きなおっぱいとの最後の別れが本当に“苦い思い出”になってしまいました。(指しゃぶりもこれで止めさせられました)
(おもちを食べると母乳がよく出る)
昔・・・食べ物があまりなかった時代に栄養を取るためにお餅を食べれば母乳がよく出ると言われていた。
今・・・栄養が十分ある飽食の時代、これは必要ない。
(蜂蜜)
昔・・・蜂蜜は赤ちやんに有害である認識はなかった。
今・・・蜂蜜は加熱処理していない自然食品。従ってボツリヌス菌により腸内細菌がまだ少ない赤ちゃんの場合、食中毒になる危険がある。1987年より1歳未満の子どもに与えてはならないとされている。
(食物アレルギー)
昔・・・栄養状態が今ほどよくなかったため、離乳食開始の時期もかなり早く、生後2ヵ月頃から、栄養価が高いという理由で卵を与える人もいた。
今・・・卵はアレルギーを起こしやすいため半年以前の赤ちゃんには積極的に与えなくてもよい。離乳食開始時はアレルギーを起こしやすい白身からではなく黄身から与える。
(白湯)
昔・・・母乳や粉ミルク以外の果汁や白湯(さゆ=お湯をさましたもの)を与えていた。
今・・・赤ちゃんの腎臓に負担をかけるので今は必要ないとされている。
(パウダー)
昔・・・赤ちゃんの汗をぬぐうため一にも二にもパウダーを付けていた家庭が多い。
今・・・今は汗腺を防いでしまうため薦められていない。むしろ保湿クリームを塗るように指導される。
(抱き癖)
昔・・・抱き癖が付くと言われ、赤ちゃんが泣いても抱っこしないように言われていた。
今・・・抱き癖はむしろ付けた方がよい。つまり、泣いたら、いくらでも抱っこしてOK。これにより絶対的な人に対する信頼感、愛着形成がされる。
(紙オムツ)
昔・・・布おむつしかなかった。紙オムツは資源の無駄であり、紙がおしっこを吸うためいつまでも快適でオムツはずれが遅れるとされていた。
今・・・洗濯による手間など布オムツを無理して使うことによる親のストレス考えたら、質の向上した紙オムツに対して“使うことは悪だ”という人はいない。
(男の子らしく、女の子らしく)
昔・・・女性は結婚して家庭に入る人が大半だった時代、「そんなことをしているとお嫁にいけなくなる」「男の子らしく」の価値基準で子育てしていた。
今・・・“ジェンダーフリー”の時代、男女の将来の社会的役割を考えて子育てはしていない。男の子にも家事をさせた方がいいと考える育メン時代。服装も女の子はフリフリピンクに限らず、紺や黒やグレーなどお洒落な洋服を着せているママも多くなっている。
(入学前のひらがなの読み書き)
昔・・・文字の読み書きなんかまったく知らないで入学しても大丈夫であった。
今・・・クラスの9割が文字の読み書きができる状態で入学する時代。ゆとり教育ではない今、自分の名前も書けない&読めないと入学後子どもが困ることになる。幼稚園や保育園でひらがなを書かせている園も増えている。
(自閉症)
昔・・・親の育て方、愛情不足により自閉症になると考えている人がいた。また、“殻に閉じこもっている性格”と個性の範疇と考えたり、“鬱病”と同じく治る病気と思っている人もいた。アスペルガー症候群だとか自閉症スペクトラムなどの言葉を伝えてもちんぷんかんぷんな人もいる。アスペルガー症候群の概念が出てきたのが2000年からなので無理もない。
※私の祖父は85歳ですが孫が自閉症なのに、いまだに「育て方をきちんとしろ」と意味不明なことを私に言っています。
今・・・発達障害という言葉を知らないママはほとんどいない。マスコミでもたびたび取り上げられ“先天的な脳の機能障害”であることは誰しも知るところである。