──保育園に入園してから“ブラック保育園”である事に気づいてしまった時、なにか保護者ができる対処法はありますでしょうか。
「園と利用者のコミュニケーションだと思います。一気に解決策を講じるのではなく、お互いが協力して、あるべき姿に少しずつ近づけて行くのが良いのではないでしょうか。」
──保育園に通ううちに、担任の先生とどうもソリが合わない、話が通じないなどの経験が過去に何度もありました。会社であれば通じるはずのコミュニケーションが「保育園の先生」を相手にはうまく行かないことも多く、いらいらしたり落ち込むこともあります。
“保護者”としての我々は先生とどのような気持ちでコミュニケーションを図ればよいのでしょうか。
「『保育園の常識は社会の非常識』という言葉があります。保育士さんとコミュニケーションを図る前提として、このことは頭に入れておいたほうが良いでしょう。ちなみに保護者と保育園のトラブルの中で多いのは、保育士の社会性が未熟であるがゆえに起きるものです。つまり、“会社”で通じる常識が通じないということなのです。専門性が高いわりに社会性が低いという問題は、保育士だけでなく、「先生」と呼ばれる方々に多い症状だとも言えます。」
待機児童解消、どうする? どうなる?
──事件、事故をはじめ、保育園がらみのトラブルを数多くごらんになってきた脇さんですが、今年、例年にないほど保活は荒れ、連日ワイドショーやインターネットで保育園がらみの情報が持ち上がっています。
政府が出してきた、様々な待機児童解消の緊急対策案について、専門家としてはどのようにごらんになっているのでしょうか。ご意見をお聞かせいただければと思います。
──1. 小規模保育の3歳児まで拡大 について
「死亡事故は0~2歳に集中しています。小規模保育施設は死亡リスクの塊だともいえるのですが、それ本来の事故対応の十分に行われているともいえない状態なのに、3歳までそこに押し込むという政策は、量的充足のみに偏った政策だと思います。」