(1)体内時計を整える

朝は毎日、一定時刻に起き、太陽光などの明るい光を浴びて体内時計をリセット。さらに朝食を食べることで生体リズムが整う。休みの日もなるべく同じ時刻に起き、起床時刻を2時間以上後ろにずらさないようにする。

(2)日中は活動的に過ごす

「午前中に浴びる30分の太陽光は睡眠薬1錠分に当たる」とも。太陽の光を浴びると「セロトニン」の分泌が増え、夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変わる。また、ほどよく身体を動かして疲れをためることで、ぐっすり眠れる。

(3)深部体温を下げる

寝る時間の30分~3時間前にお風呂に入る。寝る前に体温を上げると、体温が徐々に下がって眠りにつきやすい。

(4)気持ちを整えてリラックスする

夜は部屋を暗めに。「メラトニン」の分泌が増え、身体が休息モードになるため、眠りやすくなる。「気持ちいい」「幸せ」など、“くつろぎ”をイメージする言葉を思い浮かべるとよく眠れるという報告もあるため、寝る前、子どもに“やさしい言葉がけ”をすることで、よりスヤスヤな睡眠へ。

 

食事はバランスよく、夕食は軽めに

よりよい眠りのためには、寝るまでに消化活動を終えるのがベターです。そのため、夕食には、消化がよく脂肪の少ないメニューを中心とした軽めの食事を、寝る2~3時間前までにとることが推奨されます。

トリプトファン(メラトニンの原料になる)が含まれる肉・魚介・豆類などのたんぱく質、マグネシウムの豊富な海藻やナッツ類など、日々のバランスのとれた食事で健康な体を作ることが、睡眠の質を高めることにもつながります。

 

夜の明るい光や刺激はNG

逆に、よい眠りを阻害する悪因子として真っ先に挙げられるのが、寝る前の強い“刺激”や明るい“光”。ゲームやTVは神経を高ぶらせ、またスマホのブルーライトなど、夜の明るい“光”は交感神経を優位にし、メラトニンの合成を減らす作用があるため、眠りにくくなります。

真夜中の光は体内時計を大きく狂わせ、“健康を損なう源”とも。弱い光の中でもメラトニンの合成が抑えられてしまうので、寝室は暗闇状態にするのがベストです。

ちなみに、睡眠ホルモンとして知られる「メラトニン」には、自律神経や免疫系に働いて健康を保つ作用や、骨粗しょう症の予防、発がんを抑えるなど、老化を遅らせる作用もあるそうで、毎日たっぷり分泌させるに越したことはありません。

朝は陽ざしをたっぷり浴び、日が暮れたら部屋を暗めにする効果的な光のコントロールで「メラトニン」を増やし、家族全員で快眠生活をめざしてみては。

 

<参考>
『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』三橋美穂/かんき出版
『体内時計の謎に迫る 体をまもる生体のリズム』大塚邦明/技術評論社

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。