眠りの大切さを伝える「眠育」の広がりなど、改めてその価値が見直されている「睡眠」。
両親の仕事の関係で夜遅くまで起きていたり、学校から帰宅後に複数の習いごとをこなしたり、子どもが睡眠不足に陥りやすい状況が常態化している昨今ですが、お子さんの睡眠時間は、十分にとれていますか?

そもそも、子どもにはどれくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか。

幼児から小学生まで、約7割が睡眠不足

前回記事、「2時間の不足でほろ酔い加減? 子どもの能力を生かす「睡眠」の驚きの影響」で見てきたように、望ましいとされている子どもの睡眠時間は、1~3歳頃までは12~14時間、4~5歳で11~13時間、小学生は10~11時間。

しかし、昨年「ハピママ*」で実施したアンケート調査によると、どの年代においても、70%前後の子どもが、上記の睡眠時間を満たしていない状態でした。

必要な睡眠時間は人によって異なるため、子どもが毎日元気に生活しているならばよいのですが、次のような症状がある場合には、睡眠が足りていない、または質のよい睡眠がとれていない可能性があります。

●朝、1人で起きられず目覚めが悪い。食欲もない
休みの日に、普段より遅くまで寝ている(3時間以上)
日中に居眠りする、あくびがでる
すぐ「疲れた」という
イライラしている
集中力がない
なんとなくうつうつ、ネガティブモード

睡眠に問題があると、身体や脳の海馬の発達、自律神経、メンタルにまで、細胞レベルからマイナスな影響をおよぼすと言われます。朝起きるべき時間はだいたい決まっているため、「子どもをいかに早く寝かせるか」が工夫のしどころです。
 

よい眠りのための4つのルール

人間は、朝起きてから15~16時間たつと自然に眠くなるため、快眠の最大のポイントは、“よい目覚め”にあるといえます。
また、注意を向けたいのは、睡眠時間の“長さ”だけでなく、睡眠の“時間帯”と“規則性“です。同じ9時間の睡眠でも、早い時間に寝る方がよく、寝る時間・起きる時間を一定にしたほうが、質がよくなるのです。

快眠セラピストの三橋美穂さんは、著書『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』の中で、スムーズに眠るための4つのルールを挙げています。まず何よりも抑えておきたい、いわば“快眠のための基本”です。