拙宅では数年来ウナギを食べた記憶がありません。
近年高くてとても手が出ません。
先日、地元のスーパーで国産ウナギの蒲焼を1本で2200円で売っていました。
かといってどんな飼育をしたのか、信用できない輸入品は買う気にもなれない。
稚魚のシラスウナギの不漁が原因で、ウナギの価格が高騰し、
輸入品だろうが、国産だろうが、まさにウナギのぼり。
大枚を払えば買えるのでしょうが、1本2000円ではとても買えません。
かつて庶民の味だったウナギは、いまや高嶺の花になりつつあるようです。
「今年の夏はもうウナギが食えなくなるのでは」
と杞憂している人もいるかと思います。

「せめてひと口だけでもウナギを食べたい」
そう思い、あれこれ探したら、廉価な「たらふくまんま うなぎ」を発見しました。
国産ウナギを緑茶、山椒といっしょに煮込んだ佃煮です。
お茶に含まれるカテキンが魚の臭みをとるだけでなく、柔らかくなる効果も。
レトルトパウチのまま、沸騰したお湯で3~4分温めます。
酒の肴にも最適です。

炊き立てのご飯にのせ、そのまま食べても旨いし、お茶漬にしてもいい。
ひつまぶし風に混ぜご飯や、炊き込みご飯にして食べても旨い。
ふたり分ぐらい入っているので、安くて嬉しいのがありがたい。
かなり旨いです。
今年の土用の丑の日は、これにしようっと。

 

 

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。