コップに半分入った水を「まだ半分もある」と思う人と「もう半分しかない」と思う人。子どもが持ち帰った70点のテストを見て努力を認める人と「70点しかとれていない」と叱る人がいます。事実はたった一つですが、物の捉え方は180度異なります。
『1人でできる子が育つ 「テキトー母さん」 のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
子どもを褒めるのが上手なママと苦手なママがいます。
褒め上手なママは自分か幼いから親に同じようにされてきたので、自然にそれが出来るのかもしれません。
ところが、自分があまり褒められることなく育った場合は、わが子にたくさん良い面があっても、それを上手に子どもに伝える技を持っていないので…子育て本を読んだりセミナーのはしごをしたり。
でも、長年染みついてしまった“考え方の癖”はそう簡単に修正できるものではありません。どうしてかというと、自分が体験していないことを実践するのはハードルが高いからです。
同じ事実でも人により捉え方が異なる
同じ事実でも人により、その捉え方は大きく異なります。
コップに半分入った水を見て
- 半分も入っている
- 半分しか入っていない
40歳の誕生日を迎えて
- もう、おばさんになってしまった
- あと、50年は生きられる、楽しみだ
(※人生100年時代、折返地点にも来ていないからとプラスに考える)
90点をとって
- 取れなかった10点にスポットを当てて嘆く
- 90点も取れたと喜ぶ
子育てをしていて
- 「少しずつだが成長していて嬉しい」と思う
- 「他の子どもと比べてあれが出来ない、これができない」と悩む
同じ状況に置かれたとき、不幸だと感じる人と幸せだと感じる人に分かれます。これは事実が人の感情を左右するのではなく、「自分の心がそのことをどう捉えるか」で変わってくるからです。
幸せは自己申告だからですね。
「子どもをどうやって褒めたらいいのかわからない」ママへ
筆者は“子育て”をお題にした講演会に講師としてよく招かれます。そこで保護者から次のような質問を受けることがあります。
「よく“子どもは褒めて育てなさい”と耳にするけれども、子どもをどうやって褒めたらいいのかわからないのです。褒めるのがとても苦手なのです」
多分、その人は親から褒められた体験が少ないのでしょう。だから我が子をどうやって褒めたらいいのかわからないのですね。
更に自身に対しても完璧母さんを目指して「もっといいママにならないといけない」「他のママに比べて、あれが出来ていない、これができていない」と自分にダメ出しをしてしまうので、「子育てが楽しい」とも思えないのではないでしょうか。
自分の親を反面教師にすることができず、自分が親になったとき子育ての仕方は子孫へと綿々と連鎖されていくように思います。