巷に広まっている一般的なヨガとは一線を画し、じわりと注目を集めている「引き寄せヨガ」。

“ヨガ”で“引き寄せ”とは、耳なじみがないかもしれないが、一体どういうものなのか?

『身体がゆるめば願い事がどんどん叶う 引き寄せヨガ』(東洋出版)の著者である皇村祐己子さん、皇村昌季さんにお話を伺った。

ヨガで“願いが叶う”って本当?

「初めから『引き寄せヨガ』というヨガを作ろうと思ったわけではありません。私たちは元々、『ラージャ・ヨガ』(ヒマラヤの伝統ヨガ)をベースにしたヨガ教室をしていて、ただ普通に、正しい心と身体の使い方、体操や呼吸法を皆さんに教えていました。それが、続けているうちに、生徒さんから『願っていたことがどんどん叶う』『いろんなことがなぜか上手くいく』といった体験談をよく聞くようになったのです。

『教室に通って2~3カ月で病気が治った』、『会社の経営がV字回復した』、『突然何百万円も利益が出た』とか……。そのときはなぜか皆さん、黙っているのですが、後になってから『先生、ヨガに来てから、思っていることが叶うんですよ』と」

祐己子さんは、30年前からヨガをやっており、同時に「マーフィー理論」(※1)も実践していたそうだが、あるとき、「両者は同じものである」ことに気づいたという。また、『ザ・シークレット』(※2)などいわゆる“成功法則”として世の中に紹介されている方法は、ヨガが大元になっていると思われるものが多い。正しいヨガは本来、そんなパワーを秘めたものなのだ。

※1 潜在意識を利用することにより人々を成功や幸福へと導く「マーフィーの成功法則」として世界的に知られている
※2 2006年に米国で刊行されたロンダ・バーンによる著書。「引き寄せの法則」を主題とした内容で注目を集めた

“リラックス”が成功に通ずる!?

「一般的には、“体操”をするのがヨガだと思われていますが、“体操”は、ヨガのごく一部でしかありません。“体操”はヨガの本当の目的ではなく、単なる通過点なのです。成功法則の本を読むと、だいたいどれも、気分よくリラックスして、タイミングを見計らって願い事をする……というのが基本パターン。マーフィー理論も、まずは、『くつろぎなさい』というのが大前提です」

「でも、自分で“ゆるめる”って、“身体”を使わないと難しいんです。なぜかというと皆、無意識に緊張しているから。そもそも“自分が緊張している”状態にあることが、わかっていない人がほとんどです。ヨガの体操を正しくやると、自分が緊張しているのがわかる。それがわかると、身体がゆるみます」

「『身体が魂の入り口』と表現されるように、“身体”から整えていかない限り、本当にリラックスした状態になるのは困難。“身体”を使わずに、自分でいることが居心地がいいとか、深いところで安らいでいるとか、そういう境地になるのは、なかなか難しいのです」