「タンスにゴンゴン♪ イザムンムン♪」みなさんはこんなCMを覚えていないでしょうか?
ヴィジュアル系バンドブームの立役者、IZAMが「イザムで言うならイザムンムン」という謎のフレーズを歌いながら踊るという、
今考えると「あれは何だったんだろう」感が半端ない防虫剤のCMだったのですが、当時はとても話題になりました。

GACKTによる「味覚糖だけに3ガクト…」というダジャレCMなど、
昔はヴィジュアル系のナルシスティックなイメージを逆手に取って、「ギャップで笑いを取る」という手法が多かったように筆者は記憶しています。
しかし自ら笑いを取りに行く、いわば“笑わせる”ヴィジュアル系バンドが近年ドンドン登場してきているのです。

もともと、ヴィジュアル系シーンには90年代から変名のコミックバンドを組むことはさほど珍しいことではありませんでした。
代表的なところをあげるとSOPHIAのGFT(ゴールデン・フィンガー・テクニック)でしょうか。
設定的には「SOPHIAの姉妹バンド」という体裁で、メンバー全員がアフロのかつらをかぶって演奏するというものでした。

基本的に別名義バンドといえども、こういうコミックバンドは基本的に本人たちのライブ中にしか出て来なかったのですが、
その常識を打ち破ったのが仙台貨物だと思われます。

宮城県が産んだ謎の運送屋集団として、ヴィジュアル系シーンに華々しく登場し、メンバーは全員ゲイという設定で「ヴィジュアルゲイ」とも呼ばれており、「ゲイのから騒ぎ」「絶交門」「腐況の風」など、個性的すぎるタイトルが特徴で、過激な下ネタも魅力のひとつで、ボーカルのイガグリ千葉さんの全裸パフォーマンスのおかげで出入り禁止になった会場があるほどです。

'07年に発表されたシングル「芸スクール漢組!!/オーバー・ザ・ゲインボー」はオリコンチャート初登場5位という快挙を成し遂げました。

そんな人気絶頂(?)のなか、09年の日本武道館ライブで倒産(解散)したのですが、'11年に活動を再開。全国ツアーも敢行しました。
また現在イガグリ千葉さんのソロライブツアーも発表されています。