休日に河原を歩いていると、どこからか弱々しい鳴き声が。近づいてみたらダンボール箱に入って子猫が捨てられていた! ……いかにもマンガ的なシチュエーションだが、現実に誰にでも起こりうることだ。

私事ながら、筆者の姉(関西在住)は先月と今月、立て続けに捨てられた子猫と遭遇。すぐさま保護して里親探しに奔走する事態となっていた。

もし散歩中に、通勤通学中に、捨てられているらしい子猫を見つけたらどう対処すればいいのか?

今回は子猫の保護を経験した人たちから話を聞き、保護してから里親探しまでのポイントをまとめてみた。

1. その猫は本当に拾ってもいい?

意外に見落とされがちなのは、そもそも拾ってもいいのかという問題。ダンボールに入っているなら間違いなく捨て猫だが、そんな分かりやすいケースばかりとも限らない。ボランティア関係者によれば、屋外で鳴いている子猫でも「慎重に判断しなければならない」場合があるという。

・たまたま母猫がエサの調達などで離れているだけかもしれない
・母猫が子供を1匹ずつ咥えて、別の場所へ移動させている最中かもしれない
・地元のボランティアが世話している「地域猫」かもしれない

鳴いている子猫をしばらく観察して、母猫が戻ってこないか確認してから保護の判断をしたほうがいいだろう。地域猫(ボランティアが共同管理する猫)かどうかは、片方の耳先がV字型にカットされていることで見分けられる。これは不妊手術済みのサインであり、生後およそ半年からボランティアによる捕獲と手術が行なわれることが多い。

「できればご近所の人に聞き込みをして、どういう素性の子猫か、母猫や兄弟猫はいるのかなどを確かめたほうが無難かもしれませんね。助けてあげるつもりが、家族と引き裂くことになってはいけませんから」(ボランティア関係者)

一方、できるだけ早く保護するべきケースもある。

・ひどく痩せている、脚を引きずるなど目立った衰弱が見られる
・川沿いや溝の中など、放置すると死に繋がりかねない場所にいる
・日をまたいで長時間、切迫した声で鳴き続けている

子猫は成猫よりも衰弱するスピードが速いので、生命の危機を感じたら素早く救助してあげたいところだ。

「自分だけで助けるのが難しいと感じたら、思い切って近くの通行人に手伝いを求めるのもいいでしょう。一緒に救助した仲間意識が芽ばえると、保護した後も連絡を取り合ったりして精神的負担を減らすことができますので」(同ボランティア)