岩間さんに正直すぎる気持ちを激白され、落ち込む友永さん ©2019 Warner Bros. International Television Production Limited. All rights reserved.

4.モテる男の「追いかけたい願望」をくすぐる

エピソード11で行われる最後の決断の場は、友永さんの第二の故郷・フランス。友永さんの思いが強い岩間さんと、友永さんへの思いが強い水田さんのふたりと、パリでの最後のデートへ。友永さんが以前、「好きな人と結婚するのか、好きになってくれる人と結婚するのか」と両親に問うた言葉が思い出されます。

結婚というホームでは、リラックスできてサポートしてくれる水田さんがお嫁さんにピッタリだと、友永さんの家族も太鼓判を押すものの、友永さんの思いは岩間さんに偏り続けます。

友永さんのようにモテる男性は、すでに「自分のもの」という安心感がある女性よりも、「まだ自分のものかわからない」という不安要素のある女性を追いかけたくなることも。

そういった意味において、岩間さんは見事に友永さんを翻弄し続けます。

そもそも『バチェラー・ジャパン』は、ひとりの男性に気に入られようとする複数の女性たちのアピール合戦も見どころなのですが、まるで番組の趣旨とは違うような岩間さんの振る舞い。エピソード9の最後のローズセレモニーでも、友永さんからのローズを受け取るときに躊躇したそぶりを見せていた岩間さん。

最後のローズセレモニーで2人の女性を前に悩む友永さん ©2019 Warner Bros. International Television Production Limited. All rights reserved.

さらに、岩間さんは「好きだけど、恋愛感情なのかはわからない」と激白し、友永さんは涙目に……。

一方、水田さんとほのぼのとしたパリでのデートを展開し、「好きです」という愛の言葉やあたたかさを提供され、安心する友永さん。

そして、いよいよ正真正銘、最後の「ローズセレモニー」の日がやってきます。自分に気持ちがない岩間さんにローズを渡すのか、安心感とやすらぎを与えてくれる水田さんにローズを渡すのか、直前まで気持ちが揺れる友永さん。悩んだ末、最終的に友永さんが選んだ女性は、水田さんでした。

ただし、岩間さんが去っていくときも、「恵、恵!」と岩間さんの名前を呼び続ける友永さんには、ハッキリと後ろ髪を引かれる心情が見て取れました。最後のローズを勝ち取ったのは水田さんですが、深く友永さんの心に影響を与えたのは、岩間さんだったのです。

5.「自分の幸せは自分でつかみとる」

岩間さんへの思いを引きずりながらも、水田さんを選んだ友永さんでしたが、衝撃の結末が待っていました。

友永さんと水田さんが結ばれたあと、幸せな交際が続いているかと思いきや、なんと1ヵ月でお別れに。そんな後日談をエピローグの「スタジオトーク」で話す友永さんを前に、スタジオMCの指原さんは涙ぐみます。

畳み掛けるように、実はいま「岩間恵さんとつきあってます」と告白する友永さん。バチェラーの旅を終えてから、「ファーストローズ」を渡して最初に運命を感じた岩間さんと会えなくなり、日増しに岩間さんを思う気持ちが強くなったと激白。

しかも水田さんとつきあっている最中に岩間さんに会いに行ったことも話し、幸せの絶頂から突き落とされた水田さんを思って、指原さんは「私が水田さんだったら訴えます!」とまで断言する展開に。

水田さんは「運命じゃなかった、ただそれだけ」と大きすぎる器を見せますが、スタジオに集合していた参加女性たちからは、明らかににじみ出る嫌悪感。

“シーズン1”“シーズン2”ともに、「ファーストローズ」をもらった女性は脱落するジンクスがありましたが、“シーズン3”になってそのジンクスは打ち破られました。

衝撃の結末に悲鳴を上げる参加女性たち。バチェラーを見る目は冷たい ©2019 Warner Bros. International Television Production Limited. All rights reserved.

“シーズン3”ともなれば、番組の趣旨に添わないバチェラーが出てくる可能性もあることを視聴者側も把握。振り返れば、友永さんは「ローズセレモニー」を待たずして脱落者を出したり、選ぶ側のはずがお気に入りの岩間さんに選ばれようと追いかけたり、最後の決断を覆したりと、なんとも「規格外」のバチェラーでした。

友永さんに気がないと言っていた岩間さんも、猛アタックされて交際することを受け入れ、すっかり友永さんのことを「愛してます」とまで話すほどに。番組のストーリーを書きかえてしまった友永さんと岩間さんの共通点は、「良くも悪くも自分に正直なところ」だといえるでしょう。

“真実の愛”を探す『バチェラー・ジャパン』において、今回の波乱の結末が、友永さんと岩間さんにとっての“真実の愛”ということ。指原さんは「むちゃくちゃ胸糞が悪い」とこの結末を一刀両断し、参加女性からも視聴者からも賛否両論が巻き起こりましたが、台本なしのリアリティー番組だからこそ、起こってしまった今回の出来事でもあります。

今回は番組終了後に友永さんと岩間さんが交際しましたが、実際の身近な恋愛に置きかえてみると、一度振った相手が再アタックしにきたり、縁がないと思った相手を受け入れたりはしないパターンもあるはず。本来はやり直しがきかないことも多いのです。

そう考えると、どのような状況に置かれていたとしても、結局は自分の幸せは自分でつかみとるしかありません。自分の心の声をしっかりと聞いて、けっして選択を間違ってしまわないように、みなさんは大切なパートナーとすてきな恋愛をしてくださいね。

バチェラーを巡って、熾烈な闘いが繰り広げられた“シーズン3”は驚愕の結末となりましたが、すでに“シーズン4”の参加者が募集されています。

次のシーズンでは、どのようなバチェラーが登場して、どのようなラブバトルが繰り広げられるのか、楽しみで仕方がありません。

『バチェラー・ジャパン』から、あなたにとっての“真実の愛”を導き出してみてください。

『バチェラー・ジャパン』シーズン3は「Amazon Prime Video」で見放題独占配信中。
製作:Amazon

大阪生まれ。出版社勤務後、ライター&編集者として独立。エッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)2024年4月1日発売。音楽、日本・韓国などのドラマやTV・映画といったエンタメから恋愛・婚活・育児など女性向けジャンルを手がける。公式サイト