ーー戻ってきた理由は?
サホ:その流れた先のバンドが00年代なかばに解散して、その時期にたまたま友達からGLAY武道館のチケットを譲ってもらったんです。それでライブを見たら、彼らは良い意味で変わってなかったんです。そこからまた離れていた空白期間の音源を集めたり。
あと、決定打になったのは2014年の東北EXPOをやったじゃないですか。その前哨戦として東北六県ツアーがあって、私は地元が東北ということもあって「これは戻るしか無い」と。そこからファンクラブに入り直して、ドームにも行って、ルナフェスにも行って…という。
船山:自然に戻ってきたって感じなんですね。
高倉:家族みたい(笑)。
ーー高倉さんはライブにガッツリ行くというよりは、曲を聴いてコピーして…という感じだったのでしょうか。
高倉:バンドキッズだったのでコピーをしていましたね。ただGLAYって中高生の時はあんまりロックバンドという認識ではなくて、ポップスとして聴いていました。当時のミスチルと同じくくりというか。もちろんハードな曲もありますけど、歌モノが好きでしたし。
それで、大学の時にTAKUROの『胸懐』(03年・幻冬舎)を読みましてね…。当時自分でもアマチュアバンドをやっていたので、言っていたことがなんとなくわかったんですよ。あと考え方というか、物の作り方に共感を覚えまして。
ーーどういった考え方なんでしょうか。
高倉:ひらたくいうと、TAKUROさんは自分のことをすごく凡人だと認識していて、でも100曲作れば1曲くらい「いい曲」ができるだろうという考え方で、「だったらアルバム作るのに1000曲作ればいい、簡単なことだよ」って感じで。その千本ノック的な発想に好感をもちました。
人間としてカッコいい。「プロジェクトX」的な。職人的、ミュージシャンとして好きなのかもしれない。
TERUは表現者として優秀
ーー各メンバーについてのお話も伺わせてください、まずはTERUさんのお話から語っていただきたいです。
船山:私、もちろんメンバー4人とも大好きですけど、しいて言うならTERUさんファンなんです。
ーーTERUさんのココが好き、みたいな部分はありますか?
船山:やっぱり声ですよ、絶対彼以外じゃダメだと思うんです。誤解を恐れずにいうと、他の歌手のモノマネって結構居るじゃないですか。でもTERUさんの似てるモノマネってあんまりいない気がします。
ーーたしかに、ボーカリストとして独特ですね。
高倉:声が高いんですけど、キンキン声の高さじゃないよね。昔はXのToshlみたいな声が「高い声」って思ってたんですけど、TERUやGACKTみたいな声は低いのにピッチが高い人もいるんだって思いました。彼らキーはめちゃくちゃ高いじゃないですか。不思議な声ですよね。
サホ:カラオケで男性が歌おうとしたら歌えなかったりしますよね。
表現力が豊かだからGLAYはヒットしたってどこかの評論家が言ってたんですけど。感受性が強い、感情の出し方がすごく上手いと思います。
高倉:表現者として優秀なんですよね。さっき言ったTAKUROの本でも、TERUは5万人20万人の前でも、客が0人のライブでもまったくぶれないのだと。いつでも堂々とパフォーマンスをしていたと。
船山:胆力があるんですかね。あと自由人ですよね。行動力があるんです。
ーーたとえば?
サホ:被災地支援に行ったりとか。最近も熊本へ支援へ行っていました。
それに自由というか、裏表がないというか、歯に衣着せぬというか。「テルヴィス」ってキャラもありましたね。
船山:自然体故にTwitterで物議を醸し出したりするけど、それも含めて好きです♡
サホ:それをフォローするHISASHI、みたいな(笑)。
TAKUROは「GLAY of GLAY」みたいな人
ーーところで、サホさんはTAKUROさんのファンだと伺っています。
サホ:初めて見た時に、ギターの魅力ってギターソロだけじゃないんだなって思いました。
縁の下の力持ちみたいなところありますよね。みんなを見守っているリーダーというか。TAKUROファン的には「もっと前に出てもいいのに」と思う時もあるけれど。でもそういうタイプじゃないでしょうね。
いい意味でネガティヴというか、あんなにヒット曲を出しているのに、謙虚というか、冗談で「お金持ってる」みたいなことは言いますけど(笑)。わたしの中では「GLAY of GLAY」みたいな人なんです。
船山:やっぱり子供の頃からGLAYの曲を聴いていて、TAKUROさんの恋愛観とか、人生観の影響をすごく受けていて。「こういうを恋愛したい」「こういう大人になりたい」みたいなのがあって。特に恋愛に関しては7割くらいTAKUROさんの影響かもしれない…(笑)。