ーーどの曲の恋愛が一番お好きですか?
船山:『SPECIAL THANKS』って曲がすごく好きで…。失恋ソングなんですけど、当時私は小学校6年だったんですけど「こういう恋愛をしたい」と思いました(笑)。個人的なことを歌っているようで、普遍性があるというか、言葉のチョイスひとつとっても、共感できる歌詞なんです。
高倉:ギターキッズとしては「生き様」系の曲がグッときますね。『グロリアス』とか『時の雫』、『SAY YOUR DREAM』、いうならば10代で一緒にバンドやってた仲間たちソングというか。なんていうか、大人になった時に『グロリアス』がしみる時期が来るんですよ。
船山:子供の時はサビの疾走感とかが好きで聴いてたのに、大人になった今聴いたら「歌詞がめっちゃ泣ける!」みたいな(笑)。
高倉:こんなにいい歌詞だったのか…みたいな。「ロックスターになるんだ」と夢に人生を賭けて、その賭けに勝った人の歌詞だから。
船山:少しさみしいんですよね。
高倉:やりきった人間にしか書けない歌詞ですよね。
サホ:高校の進路を決める時期に『pure soul』が出て「賽を振る時は訪れ 人生の岐路に佇む~」という歌詞に「私いま賽を振ってる~」みたいに共感しました。
高倉:質実剛健なんですよね。
サホ:GLAYが好きっていう時点でみんなTAKUROさんが好きなんですよ。GLAYという世界の神様がTAKUROさんなんです。
船山:みんなTAKUROさんが好きなんですよ。
サホ:でも自分では「人気無い」って言うんですよ、おかしいですよ。GLAY=TAKUROファン、デフォルトで、くらいなのに。でもちょいちょいそんななことを言うんですよ。
高倉:98年くらいの時期って男子向けファッション誌のオシャレなミュージシャンランキングで、GLAYのメンバーが3人入ってるんですけど、唯一入ってないというのはありましたね。
ーー90年代の「BiDAN」のような、V系ミュージシャンも載っていたファッション雑誌だとそうでしたね。
高倉:他の3人はファッションが時代とフィットしていたというか…。というか「TAKUROがかっこ良くない」という風潮はなんなんでしょうか。
サホ:背も高いしスタイルもいいのに。
船山:自分でそういう雰囲気にしてるのかもしれないですね。
高倉:ある意味セルフプロデュースに成功しているのかもしれないですね。
サホ:やっぱりいい意味でネガティヴなんですかね。
高倉:そうそう、YOSHIKIが主催する「VISUAL JAPAN SUMMIT」の記者会見に、SUGIZOとTAKUROも同席したじゃないですか。
船山:あの時のTAKUROさんがいることへのファンの安心感たるやいなや(笑)。
サホ:抱え込みすぎないかちょっと心配しちゃったりもするんですけど、フェスは楽しみですね。
2010年代、HISASHIの波が来た!
サホ:昔はミステリアスなお兄さんだったんですけど、最近のネットでのご活躍をみると「俺達のHISASHI」って感じですよね。
高倉:もともとオタク気質ではあったんですが、10年前くらいに「涼宮ハルヒの憂鬱」ファンを公言し始めてから、新たな側面が…。
ーーSF・サブカル系のオタクのイメージから萌え系もアリというのがわかったのは大きいかもしれないですね。
サホ:ネットにも強いですよね、Twitterアカウントの取得も早かった。私自身Twitterを始めたのも、HISASHIさんがやっているから、というのもありました。
船山:私、一時期はそういうバンドと関係ない活動をやるのは複雑な気分だったんです。でも彼はGLAYに還元される気がするんですよね。
サホ:曲の話をすると、最初のHISASHI曲って『Cynical』(95年『生きてく強さ』カップリング)で、次は『neuromancer』(96年『a Boy~ずっと忘れない~』カップリング)だしで、変化球担当だったのが、今ははシングル表題曲になったりするじゃないですか。2010年代からHISASHIの波が来ましたよね。
外での活動を還元した結果、おもしろいことができてるのかなあ。
高倉:昔からTALBOや光線銃使ったり、飛び道具的な存在でしたし、弾くフレーズも変だったんですよ。それこそBUCK-TICKの今井寿的な独自のポジションというか。
「変なギターだなあ」と思ってたんですけど、「弾いてみた」の動画とかをみてると、ギタリストとして上手い、みたいなコメントが凄く多くて。
自分の中では「ギタリストとして上手い」っていうイメージがなくて、改めて聴きこんでみると…上手いです(笑)。
ーーそれを気づかせなかったというのも実力が高い証拠なんですかね。
高倉:エフェクトが効いていたり、フレーズが特殊だったりするんですけど、基礎がめちゃめちゃうまいんです。見た目の飛び道具ではないという。
サホ:基礎があるから飛び道具が生きるというか。ライブでも、機械みたいに間違えないですよね。