JIROは裏リーダーなんですよね
高倉:昔の写真見ても、すでに「JIRO」として完成されてますよね。そのスタイルが20何年崩れていない。顔が若い、とかいう問題ではないブランディングですよ。
船山:全然変わらないですよね。羨ましい…。
高倉:HISASHIが「サウンドデザイナー」か何かの雑誌で言ってたんですけど、GLAYの音楽の設計上、ドラムがあって、JIROがベースを弾いたら基本的にTERUが歌える状態、TAKUROがバッキングを弾いたらそれでもうGLAYは完成していて、俺の仕事はその上に開いているところを埋めていく、と。JIROが弾いたら完成していると。
サホ:彼は裏リーダーなんですよね。TAKUROという神様がいるのですが、実は柱でささえているのはJIROだと思います。ヴィジュアル系として華があるけど、中性的じゃないというか。
こんなに目立つベーシストがいるなんてと思いました。
ボーカルだけが前に出てる…とかではなくてGLAYって四角ですよね。TOSHI永井やDIEちゃんも含めて六角形ってイメージがあったんですよね。
高倉:JIROはベーシストとしてはTOSHI永井とずっとやってて、プロデューサーがずっと佐久間(正英)さんじゃないですか。佐久間さん自身ベーシストということもあって氏プロデュースのバンドって基本的にベースメチャクチャうまいですからね。BOOWYしかり黒夢しかり。
なのに、長いこと人気バンドやってて、凄腕で、オシャレなのに、根が素朴ですよね。
船山:真面目なんですよね。
サホ:ちなみにGLAYの中で一人だけA型なんですよ。
高倉:そこで血液型の話が出てくるんだ(笑)。
サホ:それに同級生の中で一人だけ年下ですし、しっかりしないとと思ったかもしれないですね
好きなアルバムはどれ?
ーー好きなアルバムとその理由も聞きたいです。
高倉:難しい質問ですね、観点によって変わるな…。
サホ:自分が好きっていうなら、『pure soul』(98年)です。
一番聴いていた時期というのもあって、青春時代と一緒にあるアルバムです。私が死んだら棺桶にいれてほしいです(笑)。
『誘惑』(98年)、『SOUL LOVE』(98年)みたいなヒット曲も入ってるし、人にすすめるなら『pure soul』と、最新アルバムかな。私の中でのGLAYが完成したのが『pure soul』です。
高倉:僕は『HEAVY GAUGE』(99年)かな。やっぱり中学の時を思い出すんですよ。シングルも含めて、派手な曲のは『サバイバル』くらいで、それもビデオシングル版とくらべてミックスが落ち着いてるんですよ。だから印象として渋いというか。
それにTAKUROが、自分のラジオで当時ずっと「次に出るアルバムはすげえぞ」と数カ月にわたって言ってたんですよ。
サホ:「ジャケットが光ります」とか、色々こだわりを語っていましたよね。
高倉:『ここではないどこかへ』(99年)とか『Winter,again』(99年)とか大ヒット曲も入ってるのに、どこか地味なんですよ。『BE WITH YOU』(98年)とか、当時はそんなに気にしてなかったけど、いたるところで流れていたじゃないですか。今聴くととメチャクチャ中学生時代が蘇ってくるんですよ。
船山:好きなアルバム、すごく悩みます…。一番聴いたのは『HEAVY GAUGE』かもしれないですが、『THE FRUSTRATED』(04年)かもしれない。
一同:ああ~(納得)。
船山:流れがすごくかっこいいですし、アルバムとして通して聴いたのはこれが一番多いかもしれない。
サホ:1曲目から通して聴きたいというのはわかります。
船山:中学生の時に東京ベイNKホールで行われたスカパラがゲストで全曲新曲!みたいなライブを観たんです。その時のメンバーの勢いを感じるし、隠れた名曲も多いと思います。
最初に持った携帯電話の着メロは『Runaway Runaway』でした(笑)。