Twitterやブログにアップした漫画が話題となり、その後書籍化された『子宮の中の人たち』(KADOKAWA

妊娠に関するコミックはたくさん出版されていますが、妊娠中の体内の様子を独特の世界観で擬人化しているのがこの本の面白いところです。

子宮の中で起こっていることと、ママになるEMIさんの様子が同時に読めるので妊婦さんにとっても参考になるはず。

今回は本書の中から、子宮の中の人たちが忙しく働くエピソードをご紹介します。

突然の受精卵の出現に慌てる(妊娠0~3週)

卵巣の中の人たちは、毎月卵子を出荷するのが仕事。

排卵の近づいたある日、「卵子の在庫だいぶ減ってきたな~」などと呑気に話しながら卵子を運んでいると、そこに勢いよく精子が飛び込んできて受精卵が作られます。

あまりの衝撃に驚き、慌てて子宮へ連絡。子宮の中の人たちもその知らせに動揺します。

そして間もなく子宮に転がり混んでくる受精卵。

「根をはってる、どうしよう!」「落ち着け!マニュアルどこいったっけ?」「生理班に停止命令を」「胎盤を作るんだよ!まずは」などと子宮の中の人たちは初めての経験にとまどいながらも必死に頑張ります。

そんなことも知らずEMIさんは「さいきんいっつもねむい……」と寝てばかり。周りもまだ異変には気づいていませんでした。

この場面は受精~着床までを描いたもの。一般的に着床するのは受精から約7日後と言われています。卵巣や子宮が慌ただしくなるのもわかりますね。

そしてこの時期は「妊娠超初期症状」といわれる変化が現れるママもいます。

EMIさんのように「眠い、だるい」というものや風邪のような症状、下腹部痛など生理前とよく似た症状が多いので、まだ妊娠に気づかない人も多いでしょう。

臓器をつくるために現場はフル稼働(妊娠4~7週)

妊娠初期は赤ちゃんの臓器の原型が作られる時期。子宮の中の人たちもフル稼働しています。「腎臓完成! 納品です!」「腸は、心臓はどうなってる?」「脊髄が遅れてる!? なぜ報告しなかった!」と怒号が飛び交います。

そんな現場に現れた社長の「妊婦が明日心拍確認に行くそうだ……」という一言に、子宮で働く人たちは絶句。納期は1週間先の予定だったので、まだ心臓の音が鳴る状態ではありません。

「明日心臓の音聞けるんだよ~」と話すEMIさんの子宮の中で、寝る間も惜しんだ(?)心臓製作が続いたのか、翌日無事心拍が確認できたそうです。

一般的に心拍が確認できるのは妊娠7週目頃。1日も早く知りたいという気持ちになりますが、あまり早い時期だとまだ心臓が出来上がっていないこともあるので、焦らず待ちましょう。