続いて間髪入れずに「グルグルJUMP」。今日、卒業となるガキさんは、まるでそんなの嘘みたいに満面の笑顔で「みんな叫んで~!」などと客席を煽る。かけ声をあげる人、振りコピをする人、推しジャンをする人…はやくも会場のボルテージは最高潮だ。メンバーが退場し、オープニングVTRが始まるとキミドリは解除され、それぞれの推しメンのサイリウムで光が染まる。そのまま音は止まず、衣装替えしたメンバーがステージに戻ると曲は「悲しき恋のメロディー」へ。アップテンポのナンバーでグイグイ引っ張っていく。スクリーンに描き出された歌詞に合わせてお客さんのかけ声が響く。今日のライブは、全国の映画館でライブビューイングが行われている。チケットが手に入らなかったひと、地方で来られないひと、ライブは未体験だけど新垣&光井の卒業だけは目に焼き付けたいと考えているひと…このスクリーンは、それぞれの現場の心をつなぐツールとなる。
続いて最新アルバム「12,スマート」の冒頭を飾る名曲「Give me 愛(ラブ)」をキメ、「イェーイ!」と叫んだあと、「日本武道館にお集まりの皆さん、そしてライブビューイングでご覧の皆さんこんばんは!モーニング娘。です!!」と、大きな声で挨拶をするメンバー。光井は「最後まで心を込めて歌うので、皆さん応援よろしくお願いしまーす!」と叫び、新垣は「この12人での最高のパフォーマンスを目に焼き付けてほしいと思います!」と叫ぶ。するとBGMが「恋愛ハンター」のデモバージョン、つまりつんく♂の歌うバージョンに…。ざわざわするメンバーをよそに会場には「オイ!オイ!オイ!」の合唱が響き、つんく♂が登場。新垣、光井両氏をねぎらった上、「卒業式もありますけど、違うお知らせもございます」と、11期オーディションの開催を発表。「なんでぇー!!」「えええーー!」「知らない知らない!!」と口々にするメンバー。リアルな驚きが痛いほど伝わってくる。くどぅーなんか真っ先に倒れ込んで慟哭している。9期が入ってからまだ1年足らず。10期に至ってはまだ半年弱だ。それでも「9期10期が入ってきてずいぶんリフレッシュしましたけど、さらにリフレッシュしたいと思いまして」と発言し、「ガールズ系が多いから、やっつけたいなと」と、続けた。コメントを求められた佐藤は「えええー、わたし、先輩になれるんですかねぇ~」と言い、鈴木は「知らないことって…こんなに知らないんですね…ビックリです」と発言。新垣は「つんくさんは本当にサプライズ好きですね」と驚きを露わにした。そして次期リーダーが道重さゆみであることを発表し「後半戦も楽しんで…いや、まだ始まったばかりだ(笑)」と失言し、ブーイングを浴びながらステージを去っていった。
「では気持ちを切り替えてこの曲いっちゃいましょう!」と、メンバーの性格や特徴を歌にのせた「女子かしまし物語」、そしてアルバムに収録された娘。内ユニット曲へと続く。旧タンポポを思わせる「乙女のタイミング」は光井/生田/鈴木の3人で、ウィスパーボイスにヴォコーダーが効いたテクノポップは道重/譜久村が歌う。やはり秀逸なのはエース田中と次期エース鞘師のマイクリレーと新垣光井のラップ合戦が聴ける「シルバーの腕時計」。歌、表情、ダンス、リズム、そして演出、どれをとってもかっこよく、まるでミュージカル舞台でもみているようだった。