男は人前で話が長い
男と女では、「話を聞いてもらいたい」と思う相手が違うそう。
男性は、「世界に認められたい」「多くの人に影響を与えたい」「尊敬されたい」という欲求があり、基本的に「他人」に話を聞いてもらいたがります。人前でのスピーチ、特に自分の得意分野の話は長くなりがち。
ですが、家ではリラックスしたいと考えているため、口数が少なくなります。
一方女性は、話すことで「ストレスを解消したい」「共感してもらいたい」という欲求があるため、「身内」に話を聞いてもらいたいのです。そのため、気を許した相手ほど、長話をする傾向にあります。
これでは、夫婦の会話がすれ違うのも無理はありませんよね。ただ、そうも言っていられないので、まずはわからなくても退屈でも、夫の仕事の話は聞いてあげること。
話そうとしなければ、先ほどもありましたが、「今日の仕事どうだった?」とこちらから振ります。感心したり大げさにほめたりすることで、夫は家でもおしゃべりになる可能性があります。
基本スタンスは応援。「さすが」「すごい」などのほめ言葉の他、素直に感想を伝えるのもありです。
意味のない雑談に思えたとしても、今日あったことや、そのことで何を感じたのかという会話から、お互いを理解するヒントが生まれます。このささいなコミュニケーションの積み重ねで、夫婦はお互いをわかり合える存在になっていくのですね。
男は変わりたくない
脳の構造上、女性は切り替えが早く、変化に対応するのも得意。同じように、男性にも変化を求めます。ですが、男性は新しい環境に対応するのは苦手。変身願望もありません。
そんなふうに相手を変えたい妻と、かたくなに変わりたくない夫との間では、衝突が起きるのは当然と言えるでしょう。
前提として、「相手が変わってくれることを期待して結婚してはいけない」と五百田さんは言います。結婚したら浮気癖も治る、浪費もしない、きっと家族を優先してくれる……など、結婚したから、子どもができたからといって急に都合よく変化すると期待してはいけません。
もちろん、夫が折れて妻の期待通りに変わってくれればいいですが、「男はなかなか変わらない」ということを受け止め、それを前提として対処するのがベストです。あまり期待はしすぎず、時間がかかることを承知で変化を待つこと。
具体的には、「〇〇したほうが効率的だよ」「〇〇すれば無駄がないよね」など、なるべく論理的に「変化したほうがいい理由」を伝えるようにすると、効果が早く表れるかもしれません。
男は謝れない
男性は、その高いプライドから、謝るのが苦手な生き物。ケンカをしても、「謝ったら負け」と思って謝れないことも。
女性は、自分が悪いと納得すれば、もしくはそのほうが丸くおさまるなら、すぐに謝ることができます。一方で、相手に落ち度がある場合、謝られてもなかなか水に流すことができません。
そんな男女がケンカをした場合、どうしたら上手に仲直りできるのでしょうか。
記憶力のいい女性は、数年前の夫のミスも覚えているかもしれません。ですが、ケンカ中は目の前の問題以外のことを持ち出さないようにすること。「水に流す」ことを覚えるのです。
そして夫がプライドを捨てて謝ってきたら、「私も悪かった。ごめんなさい」と返すのです。
相手の退路をたって追い詰めてもろくなことはないので、「もっと早く言えばよかったね」「言い過ぎた」など、非を認めて早めに謝罪しましょう。
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本書で言う「男」「女」は、性別的なものというよりもコミュニケーション上のカテゴリ的なもの。男だから、女だから、とひとくくりにはできないのも事実です。でも、相手の特性を知ることで、より円滑なコミュニケーションがとれるきっかけにはなるかもしれません。
もし夫に対して「わかってくれない」と不満が生じたら、本書を読んで、夫婦のコミュニケーション改善に役立ててみてくださいね。