子ども達に新しい単語を含んだ文章を聞かせ、その新しい単語(物の名前)を教えました。そして、最後に子ども達にその単語が言えるかをテストしたのです。

まず、80人の幼児にうるさい環境と静かな環境に分けて音声を聞かせてテストしました。

すると、静かな環境で聞かされた単語だけを覚えていました。

そして、少し大きい月齢の26人に、静かな環境で二つに単語を教え、次にうるさい環境で別の二つの単語を教えました。すると、子ども達は、静かな環境で教えられた単語のみを覚えていたのです。

避けるべき騒音の種類

テレビやラジオ、パソコンやスマホからの音楽やゲーム音、電車や車の音、工事の音、そして人の話し声など、私達の日常には、数えきれない音が氾濫しています。それらを取り除くことなど不可能です。

でも、幼児と話す時や、幼児に言葉を教えたいと思った時には、ぜひ避けてほしい音があります。

それは、人の話し声です。同じ周波数の言葉が、周りから聞こえてくると、子どもの注意力はそちらに向いてしまいます。

例えば友人と話している時に、少し離れた所で別の友人同士が話していると、目の前の友人の話より、離れた所で話している友人の会話が気になるということはありませんか?

幼児も同じです。集中力や注意力がまだ十分身に付いていない幼児は、容易に気が散ってしまうのです。

まとめ

幼児に言葉を教えるためには、たくさん話しかけることが大切ですが、今回の研究結果のように、うるさい環境の中だと、もしかしたら教えたことの半分しか覚えていないかもしれません。

まず、テレビやラジオは消し、もし、周りで兄弟やおじいちゃんやおばあちゃんがしゃべっているなら、そういう声が聞こえない所へ移動しましょう。

生活の中で、ママ以外の話し声もたくさん聞こえるというのは、言葉を覚える上では決して悪いことではありませんが、幼児に言葉を教えたいと思った時や、大切なことを伝えたいと思う時は、静かな環境のなかでゆっくり話すようにしてくださいね。

<参考>Science Daily

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」