本当にそうです。いつもなら自分が舞台に立っているから、客観的に見ることはできないですよね。
でも、同じ役をする人が舞台に立っていて、それを自分が席で見ていると、“周りの風景”も見ることができるんです。それはお芝居をする上で、“すごく大切なことなんだ”って、思いました。
今は、自分しか見えずに作品に取り組んでいる分、“聖子さんのおかげ”という言い方も変なんですが…。もちろん、聖子さんが舞台に立っているときは、“聖子さんのキャロル”を、一番、重視して見ているんですよ。
聖子さんも佐江も、それぞれ違う動きや、フレーズの言い方をするから、周りの人たちの動きも変わってくるのかもしれないけど。でも、聖子さんの周りの人たちの動きやダンス、歌っている様子を見て、
“周りはこういう動きをしているんだ。じゃあ次は、ここをこういうふうにしてみようかな”
“ここに、この人が立っているから、こっちには近づけないな”
っていう発見があったりするんです。
これがWキャストの“醍醐味”というか“強み”なんだって思いました。自分1人じゃ絶対にできない役を、聖子さんから盗めるところは、たくさん盗ませていただいて、私のキャロルが今あるというか。
稽古中は“他の人の稽古を見るだけ”という日もあったんですが、毎回が、私にとって、本当に勉強になっていました。
ーーWキャストは、比較されるプレッシャーもあるのかもしれないけれど、メリットもとっても大きいんですね。
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