『リボーン~13人の魂は神様の夢を見る~』
ベベとジャンヌの秘密。そして「なるほど」と思わせるラスト
偉人の魂たちは、生まれ変わる命に選ばれることで新たな道を歩むことができる。みな、生まれ変わりたいがために言い争ったり、織田信長と明智光秀であれば過去の因縁を引きずり、斬り合いに発展したりと、オーディションはなかなか円滑には進まない。
しかし、そこでいつも険悪な雰囲気を打破し、魂たちに後押しの言葉をかけるのはベベだった。彼女の飾らない姿は、魂たちの心を改めさせていく。
『リボーン~13人の魂は神様の夢を見る~』
オーディションは最後、そんなベベと、ジャンヌ・ダルクの一騎打ちに。終盤にかけて明らかになる、なぜベベが自身の記憶を持っていなかったのかということと、ベベとジャンヌ・ダルクのつながりには驚かされる。
これまで毅然と立ち居振る舞っていたジャンヌ・ダルクの、ベベに対しての思いがあふれ出る場面、オーディションの最後にベベに対しての思いを井上がしっとりと、そして力強く歌う場面はじんと胸に響くものがある。
『リボーン~13人の魂は神様の夢を見る~』
命のオーディションを終え、それぞれが生まれ変わった人生を歩んだ姿が、ある生まれ変わった人物に影響を与えていた……というラストでの“種明かし”は「なるほど」と感嘆のため息をつかせるほど。タイトルの「リボーン」は、「Reborn」だけでないことがわかるはずだ。
観終わったあとに心がポッと温かくなるような優しい人間ドラマと、こぶしファクトリー、BEYOOOOONDSたちのキュートな姿を、ぜひ劇場で目に焼き付けてほしい。
演劇女子部『リボーン~13人の魂は神様の夢を見る~』は、11月24日(日)まで、こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロにて上演中。
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