“試し行動”とははわざと相手を困らせて、自分がどこまで悪いことをしても相手は受け入れてくれるかを大人にテストする行動です。
今日は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
心当たりはありませんか?
子どもがあえて親を困らせる行為をしているような気がして困っているあなた。
以下、心当たりはありませんか?
- 最近、赤ちゃんが生まれて下の子の世話にかかりっきりになっている
- 両親ともに仕事で忙しくなかなか構ってあげられない
- 子どもを叱ってばかりいて認めていない
- 「あなたなんてもう知らない!」「そんな子、うちの子ではありません!」「何度言ったらわかるの!いい加減にして!ママを困らせたいの!」など突き放す発言が多い
このように言われて「いい子にしていよう」となる子もいますが、親を困らせる悪い子になって親の気を引こうとする子もいます。
「はじめまして、愛しています」
間もなく最終回を迎える、テレビ朝日の連ドラ「はじめまして、愛しています」。
日本に実在する特殊な養子制度を題材に“本当の家族とは何か”という普遍的なテーマに挑んだ作品です。
子どものいない夫婦が、親に捨てられた見ず知らずの5歳の男の子を自分たちの子どもにしようと決断し、“本当の家族”になろうと奮闘する6カ月の物語。『はじめまして、愛しています』イントロダクションより
この中で子どもが大人に対してあえて悪さをする“試し行動”の場面がありました。
わざと牛乳やジュースを床にまき散らしたり、おしっこを漏らしたり、赤ちゃん返りしてオムツを付けたがったり哺乳瓶でミルクを飲みたがったり、親の身体に噛みついてみたり……。
でも、これらって養子縁組の里親と子どもの間で起こる特別な現象ではなく、実の親子の間でも起こることなのです。
虐待を受けた子ども
虐待を受けている子どもは大人のことを信用しておらず、特にこれが強く出ると言われています。
大人になってもこれは続き、恋愛中もどこか相手を信用できないところがあり、あえて相手が嫌がるであろうことをして気を引こうとする行為に出る人もいます。
例えば彼氏の気持ちを引き留めておこうと「私はこんなにもてるのよ」と見せつけんばかりに他の男性に誘われている振りをする女子。
根には「見捨てられはしないかという強い不安感」が渦巻き、「ここまでやっても自分を追いかけてくれるか」試しているのかもしれません。
しかし、男性はそんな彼女のことを取り戻そうとはせず、別れを切り出したりします。親子の間では解決しても、他人の間では取り返しのつかないことに発展することもあるのですね。
虐待を受けていなくても起こる
私は長年、多くの幼児に指導をしていましたが、その中で教師に対して“試し行動”をする子に何人が出会いました。
決して家庭で虐待を受けている子ではありませんでした。