それはやってなならないこととわかっているのに、「先生が他の子に関わっていることが悲しい」「自分だけの方を向いてほしい」と感じていて、先生が嫌がる行為、例えば教室から脱走する、エンピツを投げる、わざと机に落書きするなどの行動にあえて出るのです。

そんなとき、教師が「あら、あら、○○君、それはやってはダメよ」と他の子への関わりを中断してその子のところへ行ってやると、本人にとっては“叱られる、注意されること”もイコール“先生が構ってくれた”ことになるのです。

しかも、他の子よりも優先して自分の方だけに来てくれたことになるので、ある意味、計画通りことは運ぶのです。その子にとっては嬉しいこと、だからますます、悪い行為が増えていきました。

気を引く行為の原因

その行動の原因はさまざまあります。

1. 家庭で関心を得られない

下の子が出来て家族全員の関心が赤ちゃんだけに行ってしまい寂しい、愛情を独り占めしたい。母親が仕事で忙しくかまってもらえない……。

自分はないがしろにされていると感じるような状況になったとき、他人である先生を母親代わりにして、素直に甘える方法は取らず“試し行動”的な行為をすることがあります。

2. いい行動をするのにはハードルが高い

他の子のように勉強が出来ない、運動も今一つ、着るのも食べるのもグズグスしている。

こうなると親の思う“理想の子ども”に近づくのは遠い道のりです。

そうなると手っ取り早く“悪い行動”に出た方が簡単です。年齢の低い赤ちゃんのようになってしまうことで親や先生の気を引こうという手段に出ます。

解決策はただ一つ

子どもの「こんな僕/私でも愛されてるのか?」を確認したい気持ちから起こる“試し行動”を止めさせる方法はただ一つ。

悪いことも良いことも含めて大人が受け入れるしかありません。

「クレヨンを折る子は嫌いよ」
「ママはそんなことをする子はもう知らないから(=“捨てます”のニュアンスが含まれる)」ではなく…

「それは悪い行為だけれども、あなたのことを嫌いになったわけではない」という事を伝えていかなければなりません。

たとえ勉強もできず、日常生活でも他の子と同じようにそつなくこなせない子どもであっても、「愛している」ことを繰り返し繰り返し親の態度と言葉で伝えていくのです。

わが子が悪いことをして、たとえ「いつもそうなんだから」「なんど言ったらわかるの」と感情的になってしまっても、他の場面では遊んだり、抱っこをたくさんしてやったりして“存在そのものを受け入れている”ことを感じさせるのです。

まとめ

親が子どもを叱る行為は、悪いことも許す“甘やかし”ではないはずです。子どものために良いこと、悪いことをしっかり伝える大人の愛情の証でもあるのです。

叱られてもいいから構われたいと、他人である教師にさえも“試し行動”をする子どもです。

“試し行動”を取る場合、叱ることで愛情不足になっているのではなく、問題はその“叱りかた”かもしれません。

「あなたのことが嫌い」と子どもの人格を否定するような言いかた、親の気分によって叱ったり許したりする一貫性のない躾、いい子だったら愛するけれども悪い子だったら愛してやらないという伝え方…これらは子どもを不安にさせるだけです。

そして、結果的に悪い行為が増幅してしまいます。

「子どもがなぜそんな行動をするのか」疑問を感じたら、その原因を分析し、かける言葉を注意してみましょう。