「ネット時代はパパ・イニシアチブの出番」とし、男性の役割として、「メディア・リテラシーを子どもに教える時代になった」と持論を展開するのが、ユーサイキア研究所代表で書籍『男親が賢く元気な子を育てる ―「パパ・イニシアチブ」子育て法』の著者・能登春男さんです。
父親が教えるべき「メディア・リテラシー」
育児を経験している方の多くが共感するかと思うのですが、公共の場にいる時や家事に専念しなければならない時、泣き叫ぶお子さんを静めるために、ケータイやタブレットは実に効果的です。
筆者も「これではダメだ」とわかっているのですが、子どもがじっとしてくれるので、つい手渡してしまうことがあります。
子どもの頃からこんな生活に慣れてしまっては、親子のコミュニケーションも減ってしまいますし、子どもにとってコミュニケーションが楽なケータイやタブレットに偏ってしまいます。
筆者の場合、2歳の子どもがスマホを手に持ち、「YouTube」をスクロールして使っている姿を見て驚いた記憶があります。
いまは、スマホから多くの情報が得られる時代となりましたが、これまでもラジオから始まり、テレビ、インターネットと、子どもたちが直接親から学ばなくても、知識や情報を得られる機会がありました。
アメリカのある思想家・バックミンスターフラー(1895年~1983年)の提唱に、「家庭で父親の権威がなくなったのは、ラジオの説明があったから」というものがあります。
これは、今の時代にも通じていて、子どもたちは父親に教わるよりも先に、インターネットで様々な情報を得るようになりました。
その昔は、子どもには想像できない父親による外の世界での体験や知識は、かけがえのない情報でした。
男の子はそれをならって大人になりましたし、女の子は生涯の伴侶選びに父親をモデルにしていたと能登さんはいいます。
しかし、今の時代はラジオ、テレビの登場が父親の権威を脅かしたように、インターネットが知識の元となりつつあるのです。
もはや、生きた年齢が多いからといって、より多くの情報を提供できるというわけではないのです。
そんな時代を生きる父親がすべきことは、どのようなことなのでしょう。同書にその解がありました。