自分で実践してみることが大事!

そして今、石川さんは自らその新しいスタイルを実践していると話します。

石川「私は今、仕事をしながら家族と触れ合い、それ以外の時間も共有しています。

実際、やってみることが大事だと思っています。そうすることで、周囲は力を貸してくれると思います。またイベントなど発信する場で話しており、それで何か新しい事業が生まれることもあるかもしれないと考えています」

ーー男性が子連れで仕事をしていること自体、珍しい光景。現在、周囲はどのような反応なのでしょうか?

石川「驚かれることもありますが、子連れで仕事をするスタイル自体は、ポジティブに受け入れられることが多いです。

特に地方に行く際は、子どもがコミュニケーションのきっかけになることもありますし、家族でその地域を訪問すること自体が喜ばれることもあります」

子連れワーカーの楽しい点と課題

続いて、子連れワーカーとして最も楽しいことと、課題をそれぞれお話しいただきました。

石川「地方に子連れで訪問し、仕事の後に、その地域を家族と一緒に楽しむことはとても楽しいですし、良い経験になっています。

『仕事もしっかりしたいけど、家族との時間も大切にしたい』という方にとって、子連れワークは、とてもよい選択肢の一つだと思います。

一方で子連れワークを実施するためのインフラは、まだまだ整っていません。オフィス環境も、子連れワークを意識して設計されているところは、とても少ないです。

例えば、集中して会議をしたい場合、音を遮断しつつ、子どもたちがキッズスペースからパパの姿が見えるガラス張りの会議室があるといいと考えています。

こうした事例がもっと共有されていくと、この先、子連れワークもしやすくなっていくのではないかと思います」

近い将来、仕事と子育ての時間を融合させることが当たり前のスタイルになり、スーツ姿のパパが子連れで街や駅を歩くのを見かけるようになる日が来るかもしれませんね。

【取材協力】石川 貴志さん

ワークデザインラボ 代表/複業家
出版流通企業にて新規事業開発を担当する傍ら、2013年より「働き方をリデザインする」をテーマにした対話の場づくりや、企業や行政等と連携したプロジェクトを複数手掛ける複業家としても活動中。