2.貸主・借主の負担割合は法律で決まっています
では、ルームクリーニング費用以外の借主負担はどこまでが範囲なのでしょうか。
それを定めるルールについては、先にも登場しました国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や、東京都が定める「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」に明記されています。
簡単に言ってしまえば、「入居前と同じ状態に戻して返す」ということ。
そうなると心配になるのが、「キッチンは新品だったから新品に戻して返せと言うこと?」ですよね。
でも大丈夫です。新品の状態に戻して返せということは言われません。
なぜなら、通常損耗、経年劣化については借主負担にはならないからです。
経年劣化については、ガイドラインで年数によりきちんと数字で明確になっていますので、長く住んでいるから退去費用が高くなるということはありませんので、安心してくださいね。
しかし、退去立会の際「国土交通省が定める原状回復のガイドラインに沿って実施します」ということを告げる業者もありますが、本当にそのガイドラインの通りに精算されるかどうかは分からないものです。
無知の入居者に対して退去立会の専門業者であることを告げ、本来の基準を超える負担を求める場合もありますから、注意するようにしましょう。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」はガイドラインですが、「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」は東京都の条例ですから、違反すれば罰則があります。
どちらの基準で退去精算を行うのかを聞くようにしましょう。
そうすれば、ある程度のトラブルは防げるものです。
損をしないために自らできることは、「負担を求められている箇所が通常使用によるものなのか、それとも自然消耗や経年劣化によるものなのか」を立会業者に指摘できるかどうかです。