座って5万?

よく言われることですが、真実と言えば真実のようで、嘘と言えば嘘。

印象に残っているのは、週に2回、必ずご来店くださるお客さまのお支払いです。来店すれば、必ず「魔王」という高価な焼酎を空にして、一日に十数万円を支払っていました。

つまり、1週間で「魔王」を二本空にし、30万円近いお支払いです。そのお客様にとっては、座って5万円なら安いかもしれません。

逆に、一回のお支払いが20万円という超高級店も珍しくありません。さすが銀座です。

強制ヘアセット

銀座の高級クラブで働くなら、美容室でのヘアセットは強制です。

ヘアセットしないで出勤すれば罰金です。サボったとみなされお給料から引かれます。

「お客様は高いお金を払って銀座で飲んでいるのに、ホステスが身だしなみを整えていないのはお客様に失礼だ」という考えです。

実際、ヘアセットした完璧なホステスの中にサボっている女性がいると、お店の雰囲気が壊れます。だらしない女の子を雇っているのは、お店の“格”に関わります。

ホステスの衣装事情

着物やドレスは基本的に自前です。最近では着物やドレスのレンタルショップが増えたようですが、その場合はクリーニング代を払うとか。

銀座のクラブには「新調日」と黒いドレスは原則NGという決まりがあります。

新調日とは「新しい衣装で出勤しなければならない日」です。「着古したドレスを着るな。衣装にお金を使いなさい」というお店の指示です。

また、華やかさがウリの銀座なのに、黒いドレスの女性ばかりでは、お店の雰囲気が暗くなります。

筆者が勤務していたお店では、事前にお店に電話し、黒いドレスを着てもいいか確認させられていました。