子供たちが集まるところは、イザコザがつきもの。数の限られたおもちゃなどが目の前にあると、取り合いの勃発は避けられませんよね。児童館や支援センター、保育園などではお馴染みのシーンではないでしょうか。

特にイヤイヤ期などになると、おもちゃを譲り合ったり、我慢するということのハードルが高くなります。

今回は、この「おもちゃの取り合い」について親としてどう理解し、どう対応すると良いのかを考えたいと思います。

まず、1歳~2歳の子供がおもちゃの取り合いを始めた場合、どうすればお友だちに譲ってくれるのでしょうか。

これに関して、そもそも、「1歳半では『はい、どうぞ』はできない」と分析する方がいます。書籍『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55』の著者であり、ハフィントンポストなどで子育て記事を執筆するトレーシー・カチローさんです。

カチローさんがある実験を同書で紹介しています。

どのような実験かというと、お友だちに分けても、分けなくても自分食べ物をもらえるという実験です。どのみち自分の取り分が減らないので、「はい、どうぞ」がしやすい設定ではあります。

では、この実験、どのような結果が得られたかというと……。

2歳1カ月の子供の57%が分けようとしたにも関わらず、1歳半の子供ではわずか14%しか、「はい、どうぞ」ができなかったのです。

やはり年齢が幼いほど、お友だちに譲る行為が難しいと言えるでしょう。

しかし、絶望的な気分になってはいけません。というのも、よちよち歩きの子供は、「協力やお手伝いが好き」と同書で紹介されています。

進化論を研究する人類学者たちの共通認識として、「人間は協力する生き物」というものがあるのです。

本能的には、「協力」することに喜びを感じる生き物。ですので、「子供の思いやりを手助けする」ことをカチローさんはオススメしています。

では、子供が、「他人が助けを求めていると理解する」には、どの程度の情報が必要なのでしょうか。