全体的に空気感を彩るSEやセッションが多い今回のセットリスト。1部終了後、しばらくは「A CLOAK」のピアノが流れていたが、ここで突如フロアから歓声が沸き起こる。

何事かと思って身を乗り出してステージをのぞき込むと、Tシャツ姿の樹、誠、煉、そして四角い近未来的なサングラスをかけたRENAがセンターに立ってフロアを煽っている!

「-C-YRUP」のリズム感のあるイントロが流れ始めると、フロアは大興奮。このセッションでのVo.はRENA。普段は下手でリズム隊として支えているRENAが歌う姿は新鮮であり、RENA本人もかなりノリノリである。

それまでの重苦しい世界観をぶち破るようなパフォーマンスで始まった2部は、良い意味でオーディエンスを裏切ってくれた。

THE BLACK SWAN RENA 樹 誠 煉 /撮影・スズキメグミ
THE BLACK SWAN RENA /撮影・スズキメグミ

「-C-YRUP」終了後、メイクを落とした儿が登場。「やれるか!? かかってこい!」と煽る姿はとても楽しそうだ。メンバー同士、じゃれ合いながら向かい合ってギターやベースを弾く姿はこちらまで温かい気持ちになる。

メンバーが楽しんでいるのが伝わってくるからこそ、オーディエンスも楽しめることを実感した瞬間だった。

THE BLACK SWAN 儿 /撮影・スズキメグミ
THE BLACK SWAN 樹 /撮影・スズキメグミ
THE BLACK SWAN 誠 /撮影・スズキメグミ
THE BLACK SWAN 煉 /撮影・スズキメグミ

「左右に分かれろ!」という儿の指示に従うフロア。そして、隙間の開いた中央めがけて、激しいモッシュが始まった。モッシュと逆ダイブにまみれた「XXX IN THE BOX」。

儿がマイクを置き、アカペラで熱唱するシーンも見られ、ますますフロアは彼らに魅き付けられていった。

THE BLACK SWAN 儿 /撮影・スズキメグミ

儿はMCで「正しい人間の選択。」の意味について語った。

「『正しい人間の選択。』というタイトルに、なんだろう? と思った人もいると思います。選挙にしろ法律にしろ、世の中のたいていのことは多数決で決まるじゃない? THE BLACK SWANを知っているか知らないか、2種類の人間がいて、その中で今日WESTに行くか行かないかを選択して、みんなは今、正しいと思ってここに来てくれたのかな? 俺たちと一緒にこの場所を選んでくれて、みんなにこの選択が正しかった、良い思い出にしてもらいたいと思っています。

彼(煉)なんて9万人もフォロワーがいるなか、今日ここに来たのはその中の数百人。この選択が正しいかどうかは分かりません。でも、今日ここに来てくれたみんなに正しい選択だったと思ってもらえるよう、つくりあげていきたいと思います」