人気ゲームバラエティを支える「セガ信者」な構成作家が参加した『Hi☆sCoool! セハガール』

ショートアニメは、その放送と制作形態故に実験的な試みを行いやすいのか、様々な異色作を生み出し続けています。そうした背景もあって、そこに参加するクリエイター陣の顔ぶれも非常にバラエティに富んでいるのが特徴です。

石ダテコー太郎監督と共に、『gdgd妖精s』を作り出したCGクリエイターの菅原そうたさんによる『Hi☆sCoool! セハガール』も、そうした個性派ショートアニメの一つです。

歴代のセガハードを美少女化するメディアミックスプロジェクト『セガ・ハード・ガールズ』のショートアニメ版となる本作ですが、この作品に脚本家として参加したのが人気ゲームバラエティ『ゲームセンターCX』の構成作家を務めている岐部昌幸さんです。

よゐこの有野晋哉さんが扮する「有野課長」が次々に難関レトロゲームに挑戦していく勇姿がゲームファンとお笑いファンのハートをガッチリと掴み、番組スタートから10年以上が経過した今も愛され続ける長寿人気番組となっている『ゲームセンターCX』ですが、「岐部先生」こと岐部昌幸さんは、名物スタッフとして番組を長年に渡って支え続けている作家さんです。

大のゲームファン……特に、セガのゲームを愛して止まない「セガ信者」でもある岐部さんのアニメ脚本への抜擢は、『Hi☆sCoool! セハガール』という作品にとって、まさに適材適所でピッタリな人選だといえます。

現に、劇中ではセガファンならば思わず吹き出してしまうようなツボを突いたなギャグやマニアックな小ネタが多数登場します。こうしたコメディのセンスには、自身も熱狂的なゲームマニアであり、人気ゲームバラエティを作り上げてきた岐部さんならではのバランス感覚と知識がキラリと光っています。

『Hi☆sCoool! セハガール』は、「アニメ×お笑い、バラエティ」という組み合わせによって非常に魅力的な輝きを生み出した作品です。

ちなみに、監督である菅原そうた監督も、CGクリエイター、デザイナーとして菅原さんの実兄のGONGONさんが率いるロックバンド「B-DASH」のミュージックビデオを制作するなど、こちらもアニメのクリエイターとしては、かなり個性的なパーソナリティと経歴の持ち主です。

他にも色々あります! "バラエティ系ショートアニメ"!

この他にも、ショートアニメには、コメディアンが参加している作品が幾つか存在しています。

例えば、現在、好評放送中のショートアニメ『ナゾトキネ』には、お笑いコンビ「クレオパトラ」の長谷川優貴さんと、ワタナベエンターテインメントに所属していた「ハロ」というコンビの元メンバーである、ぺよん潤さんが「シナリオ協力」というクレジットで作品に参加をされています。

また、かつて吉本興業で女性漫才コンビ「高僧・野々村」を組み、解散後に構成作家として活動をしていた野々村友紀子さんも少女漫画界に燦然と輝く名作『ガラスの仮面』をパロディにしたショートアニメ『ガラスの仮面ですが』でシリーズ構成を担当されています。

このように、調べてみるとクリエイターを通して色々と繋がりが見えてくるアニメとお笑いの世界。

思えば、アニメの世界には浦沢義雄さんや高橋ナツコさんなど、過去にバラエティ番組の構成作家を経験しているベテランライターもいらっしゃいますし、現役の人気芸人である劇団ひとりさんがシナリオを担当した『劇場版クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』といった作品もあります。この辺りの文化圏は要所要所で交わることで、様々なアニメ作品が作られてきたということなのでしょう。

ここまでで紹介してきたアニメ作品のように「アニメ」と「お笑い」という文化が、これからも積極的に交わって、おもしろくて個性豊かな作品が生み出されると嬉しいですよね。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。