ヨーグルトは花粉症の軽減に有効?
ーここ数年、花粉症の人がますます増加していく中で民間療法的なものもたくさん出てきました。
ヨーグルトを食べるといいとか、この食材を摂取するのが良いとか…それはOASの発症を抑えるのにも役立つんでしょうか?
花房:花粉症の症状自体を抑えることができれば、OASの症状も軽減できるんじゃないかという話はあります。
医師の立場から民間療法をオススメすることはできないのですが、腸内細菌層とアレルギーの密接な関連性というのはヨーロッパを中心に研究が進んでいます。
腸は、人間のからだと外界が接している部分なんです。
腸の中には千兆個という細菌がいて、その細菌を腸にいるリンパ球などの免疫細胞が見張っています。
その中に悪い細菌が入っていたら、免疫反応が起こってお腹が痛くなったりするわけです。
免疫細胞は体中を見張っていますが、その過半数が腸の周囲をマークしていると言われています。
腸内細菌に対して「これはいい、これは悪い」と免疫細胞がチェックし、学習しているので、腸内細菌層が乱れていわゆる悪玉菌が増えてくると、免疫細胞もバランスを崩し、アレルギー症状が出やすくなるのではないかという仮説があるんですよ。
それを裏付けるものとして、腸内細菌層の中に悪玉菌が多い子供は、アトピーを発症しやすいというヨーロッパから出ているデータがあります。
そのため、腸内細菌を整えておけば、腸内の周囲の免疫細胞も落ち着いて、全体のアレルギー反応が軽減されるのではないかと言われています。
腸内細菌を整えるという意味でヨーグルトなどを食べてアレルギーを抑える、というのは直接的な効果があるとは言い切れませんが、試してみる価値はあると思いますよ。
野菜や果物にアレルギー反応を起こすという話は聞いたことがありましたが、喘息やアナフィラキシーショックという症状を起こす可能性もあると知ってかなり驚きでした。
筆者も毎年春にはスギ花粉に悩まされているので、とりあえず今から腸内細菌を整えることから始めてみようと思います。
花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
1979年12月2日(36歳) 大阪出身O型
○学歴
・1995/4〜1998/3 私立東大寺学園
・2000/4〜2002/3 東京大学教養学部理科三類
・2002/4~2006/3 東京大学医学部医学科
・2006/3 医師国家試験に合格(医籍第457275号平成18年4月14日登録)
○三鷹市、東京都医師会加入済
○所属学会:日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会所属
○テレビ、雑誌、新聞等のメディア出演多数
○表彰歴 皮膚科において低侵襲手術の独自性および術式を広めた実績が評価され、皮膚科医としては唯一、The Japan Times紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人(100Next-Era Leaders IN ASIA2015-2016) に選出される。日本人皮膚科医として国際的に評価されるのはきわめて異例。