寒さに震えていた季節も過ぎ、暖かい季節が目前に迫っています。冬には辛かった野外での運動も春は活発になる時期、先日行われた東京マラソンのように、野外で運動する好機といえば、やはり春がいちばんですね。
しかし、ぽかぽかの春にせっかく外で運動しようと思っても、躊躇する現実があります。それは「花粉がもっとも飛ぶ季節が春であるということ」。
せっかく新鮮な空気を胸一杯吸い込んですこしランニングしようと思っても、花粉症の人は、マスクをしながら走らなければとても耐えられないというのでは、楽しさ半減は間違いありません。
そもそも花粉症ってなんで起こるの?
そもそも花粉症の原因とはなんなのでしょうか。ごくごく簡単に説明しましょう。
体内に花粉が呼吸等で取り込まれると、人間のリンパ球という免疫機能が、「異物が侵入したぞ」と警告アラームを出します。そして、花粉に対抗する物質として、抗体を自己作成し、その抗体が肥満細胞という細胞と結合します。
ふたたび花粉が侵入すると、細胞と結合した抗体が化学物質であるヒスタミンを分泌し、このヒスタミンの作用で、かゆみを伴うくしゃみ・鼻水・鼻づまり・涙などが発生します。
くしゃみは花粉を吹き飛ばそうとする作用、涙や鼻水は花粉を洗い流そうとする作用、鼻づまりは花粉を侵入させないようにする作用をもっています。花粉症の症状は花粉が原因ではありますが、実は花粉自体が引き起こしているのではなく、花粉に対抗する手段としての身体の自己防衛反応ということなんです。
しかし1960年以前は聞かなかった花粉症という言葉、どうして人間は花粉に弱くなったのでしょうか。原因は4つあると言われています。
原因1:スギ花粉の量自体が増加している
環境問題である地球温暖化により、スギにとって成長しやすい気温となってきているため、その花粉の量が増加しています。また特に日本では、第2次世界大戦後に大量植林されたスギが伐採されず、植林から40年たち、木の成長にともなった開花時期(花粉発生時期)を迎えています。
原因2:大気が汚染されている
排気ガスに含まれる化学物質の多くが、抗体を発生させる原因物質であり、当然花粉症の発症も増やします。またアスファルト舗装道路がほとんどの都会では特に、花粉が土に吸収されず、空気中の花粉が多くなってしまいます。
原因3:食環境の変化・不規則な生活リズム
高タンパクは良いことですが過剰な高タンパク食事や、高脂肪の食生活を続けていたり、運動不足な生活、不規則な生活リズムやストレスの多い生活なども、アレルギーの原因となります。
原因4:住宅環境の変化
通気性の少ない住宅やオフィスの近代化に伴い、ダニ・カビの温床をつくり、アレルギーが起こりやすくなります。
これらの要因と自己防衛反応が相まって、非常に辛い花粉症の症状を引き起こすのです。しかし、そうはいっても、なんとか軽減する方法はないものでしょうか?