煮野菜やおひたしの手づかみ食べがおすすめ
——「手づかみ食べ」の大切さがわかったところで、さっそく清水先生に家庭での手づかみ食べの取り入れ方について伺っていきたいと思います。家庭の食事でも、保育園のように、土鍋で煮た野菜やおひたしから取り入れるのがよいでしょうか?
清水:保育園では土鍋で野菜を煮ていますが、ご家庭では一般的なステンレス鍋で良いと思います。煮時間を短縮できる圧力鍋を使用するのもいいでしょう。
人参、大根は12~13cmくらいの長さに、玉ねぎは1個の半分に切って使います。
離乳食を始めたばかりの最初のひと月くらいは野菜の水煮で味つけはせず、素材の味を覚えてもらいましょう。生後7ヵ月頃からは、昆布や干し椎茸で出汁をとって煮ます。さらに生後10ヵ月頃から塩や醤油で味付けをしますが、ほんの少しの薄味にしてください。
——保育園では、ご飯もお茶碗によそったものを手づかみで食べているのですか?
清水:手のひらで握りこむ時期の赤ちゃんにとってお茶碗は深くてつかみにくいので、ふちのある浅めのお皿(深さ1cmくらい)によそっていますよ。
噛みきれない「そしゃく」で顎の力を鍛える!
——保育園で食事の最初に「そしゃく」というものを出されているというのも興味深かったです。これはどんな効果があるのでしょうか?
清水:「そしゃく」とはごはんを食べる前に、子どもに咀嚼を促すために与える、なかなか噛みきれない食材のことです。
私たちの保育園では、少し硬めに茹でたゴボウ、人参、キャベツの芯、ブロッコリーの茎などを取り入れています。これらの食材を子どもたちは歯茎でガシガシと噛むことで唾液を出し、胃の働きを良くします。
そして、どんな食材も噛みきれる顎の力を育てることを大切にしています。