「伝える」コミュニケーションではなく「伝わる」コミュニケーションを!
本書では、しつけや、子どもを叱るという行為についても、とても役に立つ考え方を教えてくれています。
子どもをしつけたり、叱るという行為は、ママにとってとてもストレスがかかるもの。
しつけや叱ることについて、本書では、『しつけ方程式』という方法を提示しています。
たとえば、自分の子どもがお友達のブロックを無理やりとって泣かせてしまった場合、みなさんはどうしていますか?「ダメでしょ!」と、きつく叱りつけたくなるという方は多いと思います。
『しつけ方程式』では、次のように対応します。
1.気持ち受容:子どもがなぜその行動をしたのか?を考え、まずは気持ちを受け止める。
(例)「そのブロックで遊びたかったんだね」(子どもの気持ちを代弁する)
2.事実理解:その行動をしたことで、起きてしまった事実を子ども自身に知ってもらう。
(例)「Kくんのお顔、見てごらん?どんな顔してる?」(言葉だけでなく、実際に子ども自身に見て感じてもらう)
3. 解決策:今後同じことが起きたときのためにどうすれば良かったのかを考える
(例)「Kくんがそのブロックを使っているときには、どうしたらいいかな?」(3歳以上)
「終わったら、貸してもらおうか」(0~2歳児)
4.向き合えた時間を認める
(例)「今、ちゃんと向き合ってお話ができたね」「正直に話してくれてありがとう」
この『しつけ方程式』を実践することで得られるメリットはなにか?それは、“子どもが経験から学べる”ということです。
子どもが悪いことをしたとき、ただ叱ることは簡単です。でも、叱るだけだと、子どもは「なぜいけないのか?」という肝心なところが理解できず、同じようなことをしてしまう可能性もあります。また、ただママに叱られるのが嫌だからその行動をしないようにするのでは、しつけの意味がありません。
『しつけ方程式』のように、やったことに対してどういうことになったか?をきっちり本人に確認させたり、解決策を一緒に考えると、子どもは「なぜいけないのか?」がしっかり理解できますね。
また、“向き合えた時間を認める”ということも、とても大切です。「ちゃんとお話して良かった」「正直に言ってよかった」と子どもが思うことができると、親子のコミュニケーションはますます円滑になっていくはずです。
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本書を読んで、子どもと向き合ううえで、親が抱え持っている「~しなければならない」をいくつ手放せるか?って、とても大切なことだということに改めて気づかされました。
子どもと遊ぶ時間が苦痛、子育てが辛い、しつけの仕方が分からない、普段自分を責めてばかりいる……というママには、ぜひ読んでいただきたいと思います。