なんだか夫との関係が良くない…。夫から人格を否定されるような言い方をされた…。そんなことで悩んでいませんか?

もしかしたら、近年特に問題になっている「モラハラ」かもしれません。

放っておくといいことはありません。まずはそれがモラハラかどうかチェックしてみましょう。

今回は『離婚調停は話し方で変わる』の著書を持ち、モラハラ夫の離婚についてアドバイスも行う弁護士の木下貴子さんに、モラハラ夫のチェックリストや典型パターン、気づいたときの対処法を伺いました。

夫からの「心理的攻撃」経験は16.8%

近年、「モラハラ」という言葉をよく耳にするようになり、夫婦間でもモラハラは起きているニュースも目にします。

モラハラとは、「モラルハラスメント」の略で、主に精神的な嫌がらせを指し、肉体的な暴力ではなく、言葉や態度による暴力を指すといわれています。

内閣府の「男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)」によると、これまでに結婚したことのある2,485 人に、「身体的暴行」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」の4つの行為について、配偶者から被害を受けたことがあるかを聞いたところ、心理的攻撃については13.4%が「あった」と回答しました。

男女別にみると、「心理的攻撃」を受けた経験のあるのは、女性が 16.8%、男性が 10.0%となり、女性のほうが多い結果となりました。

夫から心理的攻撃を受けている妻は決して少なくないのが現状のようです。

モラハラ夫のチェックリスト

まずは妻が『自分の夫はモラハラ夫かも』と思ったときのチェック項目を、木下さんに教えていただきました。

  1. 壁やドア・家具などを壊して恐怖を与える、物に当たる、大きな音でドアを閉める
  2. 舌打ちをする、無視する
  3. 土下座をさせる、反省文を書かせる、長時間の説教をする
  4. 家から閉め出す、病院に行かせない、携帯を取り上げて部屋に閉じ込める
  5. 「おまえがオレを怒らせる」「おまえが〇〇させたんだ」などと言う
  6. 「オレが稼いだ金だ」「誰のおかげでこんな暮らしができると思ってるんだ」などと言う
  7. 「〇〇に決まってるだろ。バカ?」「おまえは妻として何一つオレの役に立っていない」などと言う

木下貴子さん(以下、木下)「モラハラに当たりうる言動は、この内容だけに限りませんし、状況にもよりますが、ここに挙げた内容の3項目以上当てはまれば、モラハラ夫に該当する可能性はあると思います」

モラハラ夫の典型パターンは?

夫がモラハラ夫かどうかを判断するために、モラハラ夫の特徴や典型パターンを知っておきたいものです。

木下「モラハラ夫は話すのが得意な人も多く、自分が優位になっていること、妻は不利で無力・無能であることを言動によって『巧妙』かつ『執拗に』示そうとします。

人前では言葉も巧みに理性的に行動する人も多いため『人面が良い』と言われる方も多いです。

妻が離婚について話をすると『オレの親戚(友達)には弁護士(もしくは裁判官や検察官)がいる』『おまえは無職だから、子どもの親権者にはなれない』『離婚しても一銭もやる必要はない』『離婚するなら住宅ローンの半分はおまえが払うことになる』などと言って、妻を不安にさせる言動をすることも多いです。

弁護士を依頼して交渉しようとしても、『直接、夫婦2人で話し合いがしたい』と固執することも多いです」

この夫の言動も、心当たりがないかチェックしておきましょう。