近年、便利なアプリなどの家計管理ソフトがどんどん登場する中で、意外にも今、手書きの家計簿に大きな注目が集まっていることをご存知でしょうか?
手書きで家計簿をつけるなんて面倒、いつも結局続かない、と思ってついつい敬遠していた人も多いはずですが、実は手書きの家計簿には、そんな人にこそ知っておいてほしい驚きの効果があったのです!
今回は、7年連続完売記録を更新中で話題の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする 家計ノート 2017』の著者、細野真宏さんにインタビュー。
ざっくりと無理なく、手書きで家計簿をつけることで得られる、驚きの家計簿効果のとっておきの5つを紹介します。
1: 自分の意外な行動を把握することができる!
――細野さんは、『つけるだけで「節約力」がアップする 家計ノート2017』の中で、実際に家計簿を手で書くことをお勧めされていますよね?その理由は何でしょうか?
細野真宏さん(以下、細野)「まず実際に自分の手で家計簿を書くときには、座って家計と向き合います。つまり1日の中で『立ち止まって考える』ことができる習慣が得られるんです。実はこの作業こそが、家計の無駄を減らしていく際にとても大切なことなのですよ。
例えば、最近登場している家計管理ソフトやアプリでは、作業が簡単すぎるため、データ入力だけで家計管理ができたと満足してしまい、きちんと習慣的に見返すということをしなくなってしまいます。
これはパソコンや携帯電話の普及によって漢字をどんどん書けなくなってきているのと同じ現象で、いわば社会の進化とともに、これまでの重要な習慣が失われてしまっているわけですね。
アプリなどは、一見すると家計管理をすごくラクに終わらせるツールですが、実は、節約できるように行動を見直すことにつながらない場合が多くなってしまうのです。」
――確かに家計簿をつけること自体が目的になってしまって、行動に反映できないと意味はないですね。ただ、手書きの家計簿は面倒だというイメージがあって、どうしてもハードルが高いように感じます。書くのにも時間がかかりますし…。
細野「まさに、そこなんです。従来の手書きの家計簿というのは『三日坊主』という言葉の象徴のようなもので(笑)いくら手書きが大切だとはいえ、実際に買ったものを1品1品書き込むとかあまりに負担は大きすぎたわけですね。
それだと挫折しないほうがおかしいくらいだし、しかも1品1品を書き込むようにすると、複雑すぎてこの場合でも見返しは困難になって、結局、家計簿をつけても自分の行動の変化には結び付きにくかったわけです。
そこで、この家計ノートでは、レシート1枚につき1行でOKというルールにしたんです。つまり、『○○スーパー 1500円』とか『ファミレス 3000円』と、1日たったの3分を使って買い物を1行で書くだけでいいんですよ。
ただ、これは自分の行動を変えるのに実は最適な方法なんです。なぜなら、シンプルに書くと、パッと見ただけで、自分の行動が一瞬で把握できるようになるからなのです。