ジャンクフード、と聞くとどんな食べ物を思い浮かべるでしょうか? ハンバーガーやカップラーメン、ケーキなど、手軽でおいしい一方、子どもが摂取することはあまり好ましくないと考えられるような食品が多いはずです。
しかし、私たちがジャンクフードとして容易に思い浮かべることができる、ということは、すでにそれらの食品は私たちの生活に深く入り込んでいるということ。
それは現代を生きる子どもにとっても同じことです。
親世代にとって身近な食品は、子どもたちにとっては生まれた時から身の回りに存在している、より身近な食品なのです。
今回は、今や私たちの生活に密着して存在しているジャンクフードの危険性やそれを取り巻く子どもの環境について、幕内秀夫さんの著書『ドラッグ食: あなたを蝕む食依存と快楽』から紹介します。
子どもにジャンクフードを与えることはなぜ危険?
ジャンクフードを日常的に食べ続けることにより、生活習慣病や肥満を招く、という事実は想像に難くないでしょう。
しかし子どもに幼児期からジャンクフードを与える危険性は、食品の体にとって有害な要素が長い時間をかけて子どもの体に蓄積されていくから、ということだけではありません。
幼児期から覚えさせてしまったら、やめさせるのがどれだけ難しいかは、肥満先進国が示してくれている通りである。もはや、自分の意思ではどうにもならず、あるいはどのような教育をしても、それらをなくすことは難しい。出典(『ドラッグ食 あなたを蝕む食依存と快楽』著・幕内秀夫)
このように幕内さんが語るように、ジャンクフードの危険性というものは肥満などを招くだけではなく、たとえ自分の体に健康被害が迫っていたとしても止めることができない、という部分にあります。
つまり、ジャンクフードはドラッグと同じものだということなのです。
しかも、現代の子どもたちの周囲にはもはや赤ちゃんの時から、あらゆるジャンクフードが溢れ、子どもが望めばすぐ手がとどくところにあります。
健康に影響がある可能性がある、しかしジャンクフードを口にした年齢が若ければ若いほど、ジャンクフードを手放すことが難しくなってくるのです。
ジャンクフードはなぜやめられない?
どんなにラーメンが好きな人でも、毎日1日3食、いつもラーメンを食べているという人は少ないはずです。
どんなに好きなものでも、やはり『飽き』というものはやってくるもの。
それは例えば、昼に脂がたくさん乗ったラーメンを食べることで、胃腸が疲れているなどの、自分自身の体からの大切なメッセージであり、人はそのメッセージを受け止めることによって自分の体を守っていると言えます。
しかし、なぜジャンクフードは食べ続けることができてしまうのでしょうか?その理由について幕内さんは以下のように話しています。
本来、食べ過ぎたら「飽きる」はずの食品や料理も、飽きずに毎日食べられるように、食品会社の研究がどんどん進んでいる。体のメッセージがうまく働かなくなっている。出典(『ドラッグ食 あなたを蝕む食依存と快楽』著・幕内秀夫)
食品会社が、世の中の人に求められる食品を開発することは経済活動として当然のことです。
しかし、その進歩がさらに私たち、そして子どもたちがジャンクフードから離れられない要因を作ってしまっているのです。