子どもを取り巻く”ジャンク”な環境は学校にも

幕内さんは以前、オーストラリアの栄養士の方に、「日本には学校給食があるからうらやましい。オーストラリアには学校給食がないので、子どもの肥満対策が非常に難しい。」という話をされたことを語っています。

このオーストラリアの栄養士の方のように、学校給食と聞くと、しっかりと栄養バランスが取れた理想的な食事を想像する人も多いはずです。

しかし、現代の学校給食事情は変化してきていると幕内さんは言います。

成長期の六年間、あるいは九年間、言葉だけではなく実際に食事を提供しながら食生活を伝えることができる環境は恵まれている、それにも関わらず、給食にハンバーガーやポテトチップス、清涼飲料水さえ出てくる学校がある。出典(『ドラッグ食 あなたを蝕む食依存と快楽』著・幕内秀夫)

実際に学校の献立表を見て、「今の給食はこんな料理が出るんだ!」なんて驚いた経験のあるパパママもいるのではないでしょうか?

このような給食が出る理由としては「子どもたちが喜ぶ給食にしたい」という学校栄養士の方などの想いからきているもの。

しかしこの想いは逆に、子どもの健全な成長のために実施しなければならない本来の学校給食の意義を、遠くに追いやってしまうことにもなりかねません。

料理の苦手なママは「栄養バランスのとれた食事をちゃんと学校で食べてきてくれているから、それだけでもちょっと安心。」と思うこともあるはずです。

今や学校給食に対しても全力で安心を寄せられる時代ではない、ということをしっかりと認識しておきましょう。

ジャンクフード時代を生き抜く日本人の”最後の砦”

ドラッグのように子どもの体を蝕み続けるジャンクフード。そして世の中にはそんな魅力的なジャンクフードが溢れていて、今や学校給食にも入り込んでいる…そんな事実を目の当たりにして衝撃を受けている人も多いはずです。

そんな『ジャンクフード時代』を生きる子どもたちに対して親がしてあげるべきこととは何なのでしょうか。

食事というのは、主食が副食も決めるものだ。その点でごはんとみそ汁が、日本の食事のドラッグ化の最後の砦になっている。出典(『ドラッグ食 あなたを蝕む食依存と快楽』著・幕内秀夫)

幕内さんは、日本人がジャンクフードから抜け出すための”最後の砦”はやはりお米であると語っています。そしてこのお米を主食にしているという事実は欧米の肥満大国との大きな違いであり、救いなのではないでしょうか?

ハンバーガーやカップラーメンをおかずにお米を食べる、という人は少ないはずです。

つまり、お米を主食として中心に置いた食事を考えることで、簡単なおかずだったとしてもジャンクフードから離れた食事を提供することができるのです。

「当たり前のことでしょ?」と思うかもしれませんが、ジャンクフードは主食になるものが多いため、忙しい子育て家庭ではその手軽さに甘んじてしまう場合も多いのです。

今すぐ、子どもを取り巻く環境を変化させることは難しいことです。しかし、一度日本人の食文化の原点に立ち返って、家庭でできることを行なうことで、子ども自身の中にあるジャンクフード事情は変化していくはずです。

あまりにも身近なものになり、意識する機会も少なくなってしまったジャンクフード。しかし、子どもが生まれてから、その危険性をぼんやりと感じていたパパママは多いのではないでしょうか?

幕内秀夫さんの著書『ドラッグ食 あなたを蝕む食依存と快楽』は、現代の日本人に警告を鳴らす衝撃作!

子どもだけではなく、家族みんなの食生活を今一度見直すきっかけを与えてくれます。

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。