臨時休園や休校も続く地域もある中、家族の食事を3食用意している家庭もあるでしょう。いつもより食材が必要になる今ですが、外出を控えるためにも、できるだけスーパーに行く頻度も抑えたいものです。

そこで、必要な食材をまとめ買いするときのコツや、まとめ買いによって増える食品の冷蔵庫の収納方法を、冷蔵庫収納アドバイザーで料理研究家の島本美由紀さんに伺いました。

スーパーに行く前にチェック!まとめ買いのコツ

まとめ買いとは、事前に何を買うかを計画し、1回の買い物で3日分、1週間分、1ヶ月分などで使える食材をまとめて買うこと。

効率的に買い物ができるほか、買い物の回数が減るため、無駄なものを買う機会が少なくなり、お金の節約にもつながります。買い占めとは異なるため、注意しましょう。

島本さんによれば、まとめ買いにはコツがあるそう。いつも冷蔵庫の中がいっぱいになって収集がつかない!という人は、要チェックですよ。

1.献立を考えてから買い物に行く

島本美由紀さん(以下、島本)「何も考えずに買い物に行くと、スーパー内をうろうろして時間もかかり、余計なものを買ってしまいます。

そうならないためには、買うものを事前に献立を考えながら計画しましょう。まず肉や魚などのメインを考え、バランスや彩りを見て副菜を考えていくといいですよ」

2.買い物の前に在庫チェックをする

島本「冷蔵庫に今、何があるのかを把握するために、買い物の前に必ず冷蔵庫の中の在庫をチェックしましょう。今ある食材や使いかけの食材を無視して新たに買い足せば、当然使い切れません。

また、在庫チェックをすることで献立も浮かびやすくなり、ストックがあるのに同じものを買ってしまう『ダブリ買い』も防げます。冷蔵庫だけでなく、ストック棚の在庫チェックもお忘れなく!」

3.買い物メモを作る

島本「在庫チェックをして、残っている在庫を使い切れるような献立を考えたら、買い足す必要がある食材をリストアップ。この作業だけで、買い過ぎが防止できます。

キッチン周りに、メモとペンを置いておくと便利です。スマホで冷蔵庫内の写真を撮っておくのでもOKですよ」

4.気分を満たしてから買い物に行く

島本「お腹がすいているときや、疲れているときに買い物をすると、必要以上のものを買ってしまうことが多いものです。買い物に行くなら食後がおすすめですが、それ以外の時間なら気分に流されないように、買い物前に飴やクッキーを食べて気分を満たしてから出かけましょう。

お出かけ用のバッグに入るポケットサイズのお菓子なら持ち歩きにも便利です」

まとめ買い後でもこれで大丈夫!冷蔵庫の収納術

まとめ買いをすると、どうしてもパンパンになりがちな冷蔵庫。冷蔵室と冷凍室それぞれについて、うまい収納術を教えていただきました。

冷蔵室

1.冷蔵室の収納は7割以下に

島本「空いているスペースにどんどん物を詰め込めば、あっという間にパンクしてしまいます。

冷蔵室の基本は7割以下収納。スペースが空いていると庫内がよく見え、冷気が効率よくまわり、節電にもつながります」

2.指定席を決める

島本「庫内で食材が迷子にならないように、定位置を決めて、使い終わったら必ずその定位置に戻すこと。使い忘れやダブり買いも防げます。

ただし、冷蔵庫はクローゼット収納とは違って、戻さずに使い切る食品も多いですし、大きさや量、季節によっても冷蔵庫の中身は変わります。毎日の調理や買い物のたびに中身が変わる場所だと頭に入れながら、細かく区切りすぎずに定位置を決めるのがポイントです」

3.透明容器で中身が分かるようにする

島本「保存容器は外から見て何が入っているのか、ひと目でわかる透明な容器を使いましょう。ひと目で中身や残量が分かるので、常備菜などは食べ忘れを防げます。

容器の形は統一することで、収納もコンパクトになります」

4.背の高いものは1番上の段に

島本「一番の死角となり、奥まで手が届きにくい最上段の棚には、ちいさな食材の保存は不向き。ペットボトルやワインなどの背の高いものを収納しましょう」

5.セット収納で取り出しやすくする

島本「朝食セット、お弁当セットなど、使うタイミングが一緒のものをトレイやカゴを使ってまとめておけば、出し入れが1回で済むので探す手間がなくなります。買い忘れやダブり買いの予防にもなり、ドアを開けている時間も短くて済むので、節電にもなるでしょう。

例えば、子どものおやつセット、お酒のおつまみセット、お菓子作りセットなど用途別に分けておくと便利。家族も自分で取り出しやすくなります」