6.棚板の奥行きを半分にして死角をなくす

島本「棚板は収納力を高める一方、下段が見えにくくなり、奥に食材が入り込んで取り出しにくくなってしまいます。冷蔵庫の中の何枚かの棚板のうち、1~2枚は奥行が半分のものを使用するなどしてみましょう。

死角がなくなり、使い忘れや買い過ぎも防いでくれます。また、冷蔵室は適度な余白があったほうが効率よく冷却されます」

7.下段にぽっかりスペースを作る

島本「調理作業中のボウルや鍋などを保存できるぽっかりスペースを、下段に確保しておきましょう。使いやすい下段の位置に半分だけスペースを確保しておけば、さっとしまえて調理もラクになります」

8.調味料はドアポケットに集中配置

島本「最短で取り出せる調味料はドアポケットに集中配置しましょう。あちこち分散させずに、ポケットからあふれるほど買わないようにするというルールを決めると管理がしやすくなります。よく使うものを下段でまとめておくと取り出しもスムーズです」

冷凍室の収納術

1.冷凍室は「立てて収納」が基本

島本「冷凍室は、物を重ねてしまうと取り出しにくく、使い忘れの原因にもなります。保存袋に入れたものや冷凍食品などは、立てて収納しましょう。

カゴだと量の増減で調整しにくいので、仕切りや縦置き収納するには金属製のブックスタンドがおすすめ。金属製なら冷却アップ効果にもつながります。100円ショップで手軽に購入できますよ」

2.保存袋に日付と中身を書く

島本「何が入っているのかひと目でわかるように、袋の右上や上部に、中身と日付を必ず書いておきましょう。袋を繰り返し使いたい場合は、マスキングテープに中身を書いて袋に貼りましょう。

冷凍した食材の保存期間は約1ヶ月。日付を書いておくことで使い忘れが防げます」

3.冷凍室の収納は7割以上に!

島本「冷蔵室とは逆に、冷凍室の収納量は7割以上詰めましょう。たくさん詰めることで冷気が逃げにくく、節電につながります。冷凍室は、開いている時間を短くするためにも、食材がすぐに取り出せるようにひと目でわかる収納を心がけましょう」

作り置きは「下味冷凍」がおすすめ

「鶏肉の塩麹漬け」の下味冷凍の例

まとめ買いをしたら、作り置きもしておきたいもの。島本さんによれば、冷蔵庫を使いながら楽に作り置きができる方法があるのだそうです。

島本「個人的におすすめしているのが『下味冷凍』での作り置き。下味冷凍とは、フリーザーバックに肉や魚などの素材と調味料を入れて、よくもみ混ぜて、下味をつけてから冷凍する方法です。

下ごしらえがすんでいるので、パパっとメインおかずが完成します。食べたいと思った日の朝などに冷蔵室へ移し解凍しておけば、加熱するだけで一品完成。疲れて帰った日など、おいしいものを食べたいけど一から作るのはおっくうというときにもおすすめです。

冷凍すると素材の細胞膜が壊されるので、調味料がよく染み込んでうまみが増すメリットもあります」

調理例「鶏肉と野菜のクリーム煮」

島本「例えば、鶏肉の塩麹漬け。ひと口大に切った鶏肉を塩麹で調味して冷凍します。フライパンで炒めれば塩麹焼き、衣をつけて揚げれば唐揚げ、野菜や牛乳と煮込めばクリーム煮になるので、アレンジも広がります。

下味冷凍は冷凍庫で1ヶ月持つので、2~3袋ほどまとめて作っておくと便利です。他に、豚肉と薄切りにした玉ねぎ、焼肉のタレを加えて冷凍した豚のしょうが焼き漬けもおすすめですよ」

上手にまとめ買いをして、賢く冷蔵庫に収納して、おいしく便利な下味冷凍の作り置きをすれば、料理全般の仕事が楽にスムーズに回りそう。ぜひトライしてみましょう。

【取材協力】島本 美由紀さん

料理研究家・ラク家事アドバイザー
旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、手軽に作れるおいしい料理を考案。親しみのある明るいキャラが人気で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。「野菜保存のアイデア帖」(パイインターナショナル)、「食品収納の神ワザテクニック(文友舎)」など、著書は60冊を超える。