「輝く未来」を追い求めて

カリフォルニア ディズニーランド・リゾート内で公演されている「ロイヤルシアター」でのラプンツェルとフリン ©︎Disney

「空の灯り」を見るために、ラプンツェルとフリンとパスカルは、ゴンドラに乗ってとびきりの鑑賞場所に移ります。

ランタンが飛ぶのを待つ間、ふたりは静かに話します。

「夢が叶ってしまったら、次は何をしたらいい? 」と、夢を叶えたあとに不安を抱くラプンツェルに対してフリンは、

「それが楽しいんじゃないか また新しい夢を探すんだ」と伝えます。

このセリフは、ラプンツェルが塔から飛び出したのと同じくらい、私に衝撃を与えました。

子供の頃によく聞かれた「将来の夢」。

多くの子供は、どんな職業につくか、を答えます。

大体において「夢」とは、継続的なことや、大仰なことが取りざたされ、一度叶えたら終わることや、行きたいところなどは、あまり「夢」とはカウントされませんよね。

そのうえ私は、「ひとりの人生ではひとつの夢しか叶わない」という認識でいました。

宇宙飛行士になったらそれ以外の夢はないし、「誰かの助けになりたい」とい夢を持ったらそれ以外のことはしてはいけないのでは? それ以外のことをするのは、夢を真摯に追いかけていないのでは? 

ラプンツェルもおそらく、私と似た様な認識だったのだと思います。

夢を叶えてしまったあと、なにを目標に生きていけばいいのか。

ですが、フリンはラプンツェルの不安を聞いて、「それが楽しいんだ」と笑いかけます。

夢は何個だって望んでいいし、何度だって叶えていい。

まさに目から鱗でした。

それから私は、いろいろな夢を見て、たくさん夢を叶えてきました。

ひとつ夢を叶えたあとは、「さぁ、次はどんな夢を叶えようかな! 」と、この世界で生きることが、もっと楽しくなりました。

ラプンツェルとフリンのこの会話で、やっぱり私の人生は大いに変わったのです。

“I See The Light” に込められた意味

無数のランタンが空に飛び上がる名シーンで歌われる「輝く未来」。

私の中では21世紀史上最もロマンチックなディズニーソングです。

この曲の原題は“I See The Light” と言って、直訳すると「私は光を見る」なのですが、この曲は“Now that I see you” という歌詞で終わります。

「今、あなたを見る」という意味があるのはもちろんのこと、“Now that I see you” の“You” がタイトルである“I See The Light” の“Light” の部分にかかっているため、今目の前にいる相手がお互いにとって「光」であることを歌っています。

尊…。

それがさらに日本語訳にされると「輝く未来」になるんです。

最 高 。

今見えている相手が、お互いにとっての光であり、そして輝く未来でもある。

『塔の上のラプンツェル』という映画は、原文の英語と、訳された日本語の調和が奇跡のように素晴らしいのです。

日本語吹替版だけしか見ないのは本当にもったいないので、是非日本語吹替版を見た後は、音声英語字幕日本語、音声日本語字幕英語、なんていう見方をして楽しんで見てくださいね。

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