新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、仕事が休めない保護者を支える保育園でも休園、もしくは登園自粛を要請する自治体が増えてきました。
今までとは一変した生活に戸惑っている保護者は少なくないですよね。
保育園側も、開園を続ければ感染の危険と隣り合わせの保育を続けることになりますし、休園すれば保育の代わりに何ができるか、悩みは尽きません。
今回、コロナ禍のもと、保育園側はどういった取り組みをしているのか、休園を含む複数の保育園を運営する法人団体の代表2名にお話をうかがいました。
原則開園している保育園の取り組み
まずお話をうかがったのは、6つの保育園と2つのこども園を運営する社会福祉法人つぼみ会の中嶋雄一郎統括園長。
現在(5/11)、自治体から原則休園の要請が出ている2園以外は、原則開園しています。
とはいえ、保護者が在宅勤務になり家で子どもを見ることが可能であれば、登園自粛を要請しているところがほとんどのため、登園率は20-30%に留まっているそう。
保護者からの無理な要望がないかお聞きしたところ、
「今のところ、保護者の皆さんにはご理解いただいていますね。相談という形はあっても、クレームはありません。ですが、“在宅勤務でやっているが子どもがいると仕事ができない”という声はよく耳にします」
とのことでした。
子どもたちはいつも通り
登園している数少ない子どもたちにとっても、今まで一緒に遊んでいた仲間の大半がいない今の状況は異常事態と言えます。園での子どもたちの様子をうかがうと、
「特に不安な様子は見られません。どんな状況でも一生懸命遊んでいますよ。ですが、三密を避けた保育をすることは難しいですね。保育士は可能な限りマスクをしていますが、子どもたちには強要できませんし」
子どもはどんな状況でも遊びます。長引くコロナ禍に親の不安は尽きませんが、遊び方や場所が限定されるにせよ、なるべくのびのびと遊ばせてあげたいものです。
保育で気をつけていること
今、保育をするにあたって気をつけていることをお聞きしました。
「消毒・検温は普段以上にこまめにしています。
園庭のある園は外で遊べるのでいいのですが、街中にある園だと外にお散歩に行くときに注意が必要です。どうしてもかたまってしまうので、できるだけ少人数に分かれて行くようにしています。ご近所の方から注意を受けてしまったこともあります」
様々な考え方があるなかで保育を行う難しさが、コロナ禍で浮き彫りになっています。
登園できない子どもたちに向けた発信を開始
つぼみ会では、登園できない子どもたちに向けての発信も始めています。
「おうちで過ごしている子どもたちに向けて、4月17日からYouTubeチャンネルを始めました。工作の作り方、運動遊びの仕方、おやつの作り方、出し物など、自分たちで動画をつくって、1日に1,2本はアップできるようにしています。
普段会っていた先生の顔が見られるだけでいいみたいで、保護者の方からも“楽しみにしています“という声をいただいております」
今後の心配
これだけ長く続くと、今後の活動について心配も出てくる、と中嶋さんはおっしゃっていました。
「子どもの数が少ないので交代勤務でやっていますが、在宅勤務している保育士がいかに8時間働けるようにするかが課題です。動画編集などが主な仕事ですが、それにも限りがありますし」
子どもあっての保育園。ですが、新型コロナウイルスが猛威を振るっている今、感染しないことが最優先事項のため、ジレンマに苛まれている様子が伝わってきました。