■ホラー映画にハマった実体験を聞いてみよう

というわけで、最初に「なぜホラー映画にハマってしまうのか?」ということを検証するために、ナビゲーターのおふたりの場合はどうだったのかを訊いてみた。

すると、滝沢さんが「私は映画館で『リング』を観たのが原体験です」と間髪入れずにコメント。「それでハマったのかどうかはよく分からないけど、怖い! という恐怖を最初に覚えたのはやっぱり『リング』。貞子がテレビから出てくるところは本当に怖かったですからね。しかもそのころってホラー映画ブームみたいな感じだったから、ホラー映画のビデオをレンタルしてきて友だちと一緒にワーキャー言いながら観たりして。それが楽しかったんですよね」

なるほど。これはちょうど、ジェットコースターや絶叫マシーンに乗る感覚と同じ正しいハマり方ですね。では有村さんの場合は?

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「やっぱりジョージ・A・ロメオ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』('68/※今回放送されるのは、同監督がモノクロだったオリジナルをカラーで作り直したリメイク版)を観たのがきっかけですね。ゾンビというのは本当に素晴らしいです」

お~ゾンビですか? こちらもホラー映画ファンにとっては王道のハマり方……と思ったら、有村さんの場合はちょっと違って、もっと奥が深かった。

「大学生ぐらいまではゾンビは怖いものっていうだけの観方をしていたんです。でも、これは番組の中でも喋らせていただきましたが、当時お世話になっていた水野(晴郎)先生から、ゾンビが例えばアメリカの移民問題を比喩しているとか、あなたは欲望のままにショッピングモールに足を運んでいないですか? という人間に対する啓示であるという話を聞いて。そういったメッセージを知った瞬間に、なるほど! と僕のホラー映画の観方が変わったんですね。裏側にあるものを知って、荒唐無稽なものではないんだって分かってから、より楽しめるようになりました」

う~ん、深い。でも、これはやっぱり専門家ならではのコアな観方なのでは? そうではなくて、みんなが知りたいのは、ホラー映画でわざわざ怖い想いをして何が楽しいのか? どんな楽しみが得られるのか? ってことだと思うのだ。