最近よく聞くキャッシュレスと言う言葉。その場で現金を支払うことなく商品を購入できる、言わば見えないお金ですね。現在日本のキャッシュレス決済比率は20%前後ですが、将来的に政府は80%を目指しています。(経済産業省:キャッシュレス・ビジョン 平成30年4月より)
大人でも使いすぎてしまうこともある見えないお金について、子どもにどう伝えればいいのでしょうか?
キャッシュレスにはどんなものがあるの?
クレジットカード、デビットカード、電子マネーなどキャッシュレス決済には色々な種類があります。そのなかで小学生の子どもが持てるキャッシュレス決済は電子マネーのみとなります。
代表的なものはSuica、PASMOなどの交通系と呼ばれる電子マネーとWAON、nanacoなどのショッピング系電子マネーです。
交通系電子マネーは子どもが小学校へ入学すると電車運賃等が小児運賃となるため小児用の電子マネーの取得が可能となります。
ショッピング系電子マネーは年齢制限を設けていないものが多いようですが、なかには15歳以下は親権者の同意が必要となるものもあるようです。
いつから電子マネーを持たせたらいい?
お金には3つの役割があります。
1. 交換する 2. 貯める 3. 価値がわかる
この3つの役割を理解できてから、電子マネーを使うようにする方がいいと私は思います。
ただし電子マネーが必要かどうかは、家庭環境によってだいぶ変わってくると思います。
習い事などで公共交通機関を使う子どもは小学校入学時点で電子マネーを持つことになるでしょう。また車での送り迎えが多い地方では小学生では必要ないかもしれません。
しかし親と別行動する機会の多くなる中学生になる前の遅くとも小学校高学年には電子マネーを使い始め、慣れておくことが大事ではないかと私は考えています。
子どもに電子マネーを持たせるときのルールについて
1. 必ず現金と併用する
現金のメリットは、お金は使ってなくなるものだとわかる、100円玉1枚と10円玉10枚が同じ価値になることがわかる、などがあります。
電子マネーは現金と違い、どれだけ使ったかを実感しづらいでしょう。
最初から電子マネーのみを使うことは、これらのことを理解できないままになってしまう可能性があります。
そのため現金と併用して使うことをお勧めしています。
中にはお金を落とすことを懸念して、電子マネーのみ子どもに渡す親御さんもいるようですが、私は反対です。
確かに一部の電子マネーはなくしても再発行が可能なものもあります。その点では安心かもしれませんが、お金を落としたり、お財布をなくしたりする失敗から学ぶこともたくさんあります。
はじめは電車に乗る時だけ電子マネーを使うなど用途を限定して利用してみるといいと思います。
2. 電子マネーは魔法のカードではない
一番怖いことは電子マネーが何でも買える魔法のカードだと子どもが勘違いしてしまうことです。
電子マネーにお金を入金して、その分しか使えないということを説明してあげてください。そのためにもお子さんと一緒に金額をチャージするようにしてください。
チャージする金額は面倒でもその日使う分、最小限にとどめておいた方がいいでしょう。
我が家のケースで、旅行前に5,000円をチャージしたところ旅行初日に電子マネーをなくし大騒ぎしたことがありました。
無事に見つかり被害もありませんでしたが、旅行中などですぐに停止の手続きができないこともあります。
子どもですし、落としたりするかもしれないということを前提に、最小限の金額にしておいた方がいいと思います。
3. 物の値段を見るように話す
電子マネーを使うと物の値段を見るということがなくなりがちです。
お金の3つの役割の1つ、「価値がわかる」というのは、商品に値段をつけて、物の価値を表せるという役割です。
まだ物の価値がわからない子どもにとって、物の値段を見ないと言うことは3つの役割を理解できないということになってしまいます。
電子マネーを使って電車に乗ると、切符を買うときのように電車賃を確認することはなくなってしまうと思いますが、何回も同じ電車にのるときなどは1日券を買った方がお得なこともあります。
同じジュースでも自動販売機とコンビニ、スーパーだったら、どこが一番安く買えるのか、ものの値段を見ることで、そこから様々なことを学ぶことができます。
電子マネーを使うときも現金を使うときも物の値段を見るという癖をつけるようにして欲しいと思います。また、そうすることでお金を使いすぎてしまうことも防ぐことができるでしょう。
4. 電子マネーにはいいところもわるいところもあることを伝える
現金を持たずに買い物ができたり、お財布からお金を出す手間が省けたりするので、荷物が多いときに便利であるなど、いいところがある反面、使いすぎの心配や電子マネーが使えないお店では買い物ができない、物の値段を見なくなってしまう、災害時など停電時には使えない、というわるいところもあります。