「出会い直し」で夫の心は戻ってくる

「育児って大変だし、なんだかんだで女性に負担がかかるんだから仕方ないないじゃない」
そう思われた方も多いでしょうね。たしかにその通りなんですが、心がどう動くかは、理性では止められるものではありません。

そもそも、男性は、どんなに成熟している男性でも女性に比べて、一般的に幼児性が強いです。

乳児である子供の世話で、妻が大変ということは頭ではわかっていても、「もう妻は、自分には関心を持てなくなった」と感じる夫は少なくありません。

理性では抑えられない、心の距離の開きが加速する前に、「出会い直し」で、夫との心の距離を縮めましょう。「出会い直し」とは、私の造語ですが、何のことはありません。

つきあい始めてから、お子さんが生まれたまでの時間を二人で思い出して「両親」から「夫と妻」に戻っていくことを再確認する作業です。

とはいえ、当初は、夫も心を開いて会話に応じてくれにくいでしょうから、さりげない方法から始めましょう。

  1. つきあい始めたころに、一緒によく食べていたものを夕食に出す。
  2. ご主人が会話に応じるようになったら、お子さんが寝た後にでも、お付き合いしはじめた頃の写真から、結婚するまでの写真を二人で見て雑談する。
  3. 時間を作って、身近な場所でいいので、お子さん抜きで、二人だけで思い出の場所に出かけてみる。

育児はいつか終わる。その頃に「夫」と「妻」に戻ろうとするのは難しい

「たったこれだけ?」と、驚かれるかもしれませんが、これだけのことを繰り返していけば、ご主人は、さらに育児に協力してくれますし、あなたを妻という女性として意識するようになります。

加えてもう一つだけ。育児は本当に大変ですが、必ず終わる時が来ます。おおむね、お子さんが中学生くらいになれば、完全に手から離れることはなくても両親から徐々に離れていきます。

その時になって、距離が離れた夫の心を呼び戻すのは大変です。今のうちに心を引き留めることを意識して将来訪れる、二人だけの時間を穏やかに過ごせるようにしたいですね。

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログ