日本人で一生のうちに鬱病にかかる人の割合は3~16パーセントと言われています。決して珍しくない心の病です。
子育ては自分とは違う人間を育てる仕事、楽しい面もありますが、ストレスの元凶にも鬱になってしまうこともありますよね。
『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します
鬱病になりやすいタイプ
- 全か無か思考(100点か0点か思考)
- 責任感が強い
- 上昇志向が強い
- 真面目
- 完璧主義
- 自分にダメ出しをする
- 他人の評価をとても気にする
- 自分さえ我慢すればとよいと考える
そうなると、下のように考えるママは鬱になりやすいタイプかもしれませんね。
- こんなダメ母親で子どもが可哀想
- 母親たるべきもの。〇〇すべきである
- 他人に頼ることに気が引ける、自分で何でも解決しよう
- 子育ての理想がある
- 他人の目からの評価を気にして、他の子と自分の子を常に比べてしまう
- PTA役員など人に頼まれると断れない
- 自分の感情を素直に相手に伝えられない
感情は変えられないが行動は変えられます
悲しい、悔しいなどの感情って瞬時に湧き起こりますよね。これを専門用語で“自動思考”と呼ぶそうです。無意識に自動的にスイッチが入る感情です。
これを抑えたり、否定したりすると心が悲鳴を上げます。感情はそのまま出してやりましょう。泣きたい時は泣き怒りたい時は怒る、これで心は解放され安定していきます。
ただし、この感情に翻弄されないことが大切になってきます。
認知行動療法
物の見方や受け取り方を「認知」と言いますが、心に浮かぶ負の自動思考を変え「認知」のバランスを整えるのが鬱病治療でよく使われる「認知行動療法」です。
悪く考えてしまう自動思考の例
- べき思考・・・「~すべき」「~すべきではなかったのに」と考えてしまう
- 思い込み・・・「こんな失敗をしたら取り返しがつかない」
- 白黒思考・・・「完璧に○○」できないと白黒をつける
- 深読み・・・・「あの人は私のことを困った人間だと思っている」
- 自己批判・・・「こんなことが起きたのは私の責任」
上記のように考えないようにするのです。
考え方を変える
例1:子どもが幼稚園にクレヨンを持っていくのを忘れた
「忘れ物をさせてしまうんなんて、なんてダメな母親なんだろう。こんなだらしがない母親の元に生まれた子どもは可哀想だ」と自動的に思ってしまう…。
でも、こう考えてみてはどうでしょうか?
「忘れ物して自分で先生やお友達に借りること出来たかもしれない。ピンチに対応できるチャンスを体験出来てラッキーじゃあないか。また、『ママに任せておいたら心配』と子どもが気づき、明日から自分で準備するようになるかも」
忘れ物の効用です。こんなに沢山あります。
- 明日から忘れ物に気を付けるようになる
- ピンチに陥りSOSを出せるようになる
- 代用品を何とか自分で考える
- 私の貸してあげる」と親切にされ、「友達を大切にしよう」と思うこの体験で「自分も誰かを助けてあげよう」と思うようになる
そう考えれば、「成長のチャンスだから、届けない方がよい!」と思えますね。