「ウドちゃんもなんだか燃えたぎってます(笑)」
――2016年にお子さんが誕生されて、そのあとの子ども向け作品のキャラクターということで、今までのアニメなどの声のお仕事と気持ちの上で変わったところってありますか?
周りにも言われるんですけど、ちょっと変わったみたいですね。自分ではわからないんですけど。子どもを持つようになった分、状況がわかるというか、感情移入するというか。
やっぱり想像ができますよね。自分が親だったらこう言うだろうなとか。
今回はライオンの親なので、子を谷に落として這い上がってくるのを待つっていうイメージの、厳しい声なんです。
でもただ厳しいだけではなく、ベースには「うちの子どもだったら大丈夫」っていう信頼感、認めてる感じがあるところを出せたらいいですね、って監督さんにもメッセージをいただいたので、その気持ちでやらせていただきました。
――それはご自身がパパになってからの気持ちと通じますか?
やっぱりね、本当に、自分より大事なものが初めてできたっていう感覚はありましたね。
あ、たぶん、二人で溺れたらこの子を助けるだろうなっていう。ウドちゃんとふたりで溺れたら自分だけ助かるなって思うんですけど(笑)。そういう感覚が声にもちょっと出せていたらいいなと思います。
――ウドさんの存在を越えましたか。
そうですね、それで、ウドちゃんもなんだか燃えたぎってますね(笑)。恐ろしい男です。『天野くんがもう一人増えたね!』って(笑)。僕のことも天野くんって呼ぶんですけど、子どものことも天野くんって呼びますから。わはははは!
「奥さんには、本当に感謝してます」
――お子さんは1歳ということで、まさに今、体力的にもけっこう大変じゃないですか?
いや~! なんだか最近、肘が上がらないな~と思ってたら、子どもを抱っこしてるから(笑)。年輩のお父様がた、一緒に頑張りましょう! 僕も、家にいられる時にはお風呂に一緒に入ったりしていますが、奥さんは本当に大変だと思いますよ。寝られないしね。深い愛情で頑張ってくれてますね。
――今作は、弱虫のブルブルがたくましく成長していく物語。親目線でもぐっときますよね。
ぐっときますよね~~! 僕ももう毎日のように「あれ、昨日はできなかったのに、できるようになったの?」って。嬉しくもあり、ちょっと寂しくもあり。成長を喜ぶのが親ですからね。
――もう日々成長!っていう時期ですよね。
日々成長ですよ! ついこの間までつかまり立ちだったのがもう歩くし、パタパタパタと。すべり台にも自分から行って。こちらが止める時もあるんですよ。ちょっとちょっと、って。でも僕登れるから、みたいな感じで。
――冒険心がすごいですね! ブルブルもびっくりですね。
そう! 冒険心がね、すごいんですよ! 家の中でもあちこち開けて、いろんなもの出してくるしね。もう大変ですよ、家の中の冒険心が(笑)。でも、寝顔とか見るともう…反則ですね。全部チャラになっちゃう。
うちの両親も自由に、やりたいようにやらせてくれたんで、僕も、そういうふうに育てたいなと思いますし、僕はさいわいこのお笑いというお仕事を見つけることができたから、わが子にも、自分が夢中になれるような仕事をみつけてほしいと思いますけど…まだずいぶん先ですから。はははははは!
――でも想像しちゃいますよね。
ね! どうなるかわからないですけどね。奥さんはもう本当に大変だと思いますけど、頑張ってくれてて。感謝してます。できる限りサポートできたらなと思ってます。
――なかなかそんなふうに気がつけないお父さん、多いですよ。
(笑)。いや、気遣えるお父さんもたくさんいると思うんですけど、だいたい男は自由に生きてきちゃってるんでね。やってほしいことはパッと言った方がいいかもしれませんね。
言ってもらえたら、あ、これをやればいいんだってわかりますから。うちはもう本当に奥さんがしっかりしてくれていて、僕は料理もするんですけど、離乳食はもうノータッチですし。
奥さんが、野菜を混ぜ込んだハンバーグとか、僕も焼いてもらったことないようなパンケーキとか作ってたり。わはははは! 楽しくやってくれてますね。
――お子さんがもう少し大きくなったら、料理の腕をふるうチャンスも出てきますね。
まあでも、自分が本当に母ちゃんの味で育ったので、子どもにもお母さんの味をベースにしてもらって、その上でたまに、ふるうときもあれば…なんてね(笑)。