空気の悪い場所ではマスクを。こまめな掃除で環境を改善

――昼間の眠さ・だるさの対処法を教えてください。

渡辺「多くの場合、人ごみなど空気の悪いところや、劇場、映画館などの密室で酸欠状態のようになると、眠い・だるいといった症状が出やすくなります。でも、建物から出て外の空気を吸うと、すっかり治ってしまうのではないかと思います。

エアコンのフィルターが汚れていたり、カーペットを敷いてある部屋などでも症状は出やすい。室内の温度調整や換気、掃除は非常に重要です。

満員電車や会議室など、どうしても避けられない場所では、マスクをして対処するとよいでしょう。外に出れば元気になるので病気ではないのですが、普段からアレルギー対策をしておくことが大切になります。

症状が一番悪化してつらくなるのは、6月~7月かと思います。梅雨時で高温多湿になり、カビが飛びますので。

実はカビの胞子ってすごい悪さをするんです。カビの胞子はダニの大好物で、それをダニが食べて繁殖してしまう。ダニが繁殖する季節は、症状が悪化しやすいですね」

からだにいい油を使う。食品添加物はできるだけ少なく

――食生活などで気をつけたいことは何でしょうか。

渡辺「マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸やリノール酸(植物系の油に多い)は、アレルギー反応を起こしやすいです。

アレルギー反応が起きると、アレルギーの物質(ヒスタミンなど)が出ます。すると、毛細血管が充血して血液の流れが悪くなり、血液が(心臓に)帰ってこない。そうなると新鮮な酸素を脳に補給することができなくなり、眠気やだるさを誘発してしまうのです。

アレルギーというと、花粉やダニやほこりが原因と思われるかもしれませんが、食品添加物など、食べ物でも十分アレルギー反応が起きるとみています。

リノレン酸の多い油(サバやイワシなどの魚、アマニ・エゴマ油、ナッツ類などの油)やオレイン酸の多い油(オリーブオイル等)など、からだにいい油を使う。そして、食品添加物の少ない食事をとりたいですね。

また、よい漢方薬もありますので、そういった薬で体質改善するのもいいかもしれません。

ただ、あまり真剣になりすぎるのもよくありません。花粉症も神経質になると、ちょっとしたことで症状が出たりしますので」

眠い・だるいといった症状の場合、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、シックハウス症候群などの病気も考えられるそうなので、気になる方は医療機関の受診をおすすめします。

また、『最近疲れが抜けない。それ、眠いだるい病かもしれません』には、それらの病気との見分け方や症状の改善法が詳しく紹介されています。ぜひ参考にされてはいかがでしょうか。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。