カレー×スパイス・アイスクリーム、未知の組み合わせの味は!?

「今回のフェアのために、スパイスとハーブを使ったアイスクリームを開発しました。

たとえば、いまお召し上がりになっているバターチキンカレーには、マスカルポーネのアイスクリームがおすすめです。トマトのカレーと一緒に、トマト・ベリー・チリのアイスクリームを召し上がってください」

デザートは食後に食べるものだと教えられたし、我が子にもそう教えてきた。ところが、このホテルでは、食事のマナーに反する食べ方を推奨しているのだ。それってどうよ? あり?

と思っていると、気を利かせたホール担当が、マスカルポーネのアイスクリーム、パクチー・アボカドのアイスクリーム、トマトのアイスクリームを届けてくれた。

スパイス・アイスクリーム

本当はこんな食べ方はしたくはないのだけど、「ローマではローマ人のようにせよ」という格言もあるではないか。

バターチキンカレーを頬張りつつ、マスカルポーネのアイスクリームをひと口。あれ……、なにこれ?

カレー×スパイス・アイスクリームの組み合わせ/ヒルトン東京「華麗なるカレー・マジック」

めちゃくちゃ合うじゃん。冷たいものと温かいもの。甘いものと塩味を含むカレー。相反するもの同士だからこそマッチするのだろうか。

アイスクリームとカレーは、これまで一度も交流を図ったことがない(はず)。それぞれの存在を認めていても、一度も仲睦まじくしたためしはなかった(はず)。ところが、無理やり口の中で引き合わされた結果、案外仲良くやっていけそうなことがわかったのだ。

でも、よく考えたら、マスカルポーネのアイスクリームも、バターチキンカレーも、乳製品を含んでいるので、相性がいいのはむしろ当然といえば当然。

和風ビーフカレーとスパイシーアイスクリームとのペアリングを試してみた。どのアイスクリームが一番合うかはわからないが、冷たいものとスパイシーなカレーは相性がいいようだ。

他のカレーとアイスクリームとのペアリングも愉しんでみた。トマトを使ったグリル野菜のトマトカレーとトマト・ベリー・チリのアイスとの組み合わせは完の璧。

カレー×スパイス・アイスクリームの組み合わせ/ヒルトン東京「華麗なるカレー・マジック」

パクチーのアイスクリームはあっさりしていて、どのカレーとも合いそうだ。パクチーが苦手な人も、このパクチーアイスクリームならまず大丈夫。カレーを味わった後、パクチーのアイスクリームを頬張ると、口の中が爽やかになる。

カレー×スパイス・アイスクリームの組み合わせ/ヒルトン東京「華麗なるカレー・マジック」

インド人は食後にザラメ砂糖を混ぜたフェンネルを食べる習慣がある。フェンネルには口の中をすっきりとさせる効果があるからだ。パクチーのアイスクリームにもそれと同じような効果があると実感した。

「華麗なるカレー・マジック」には、その他、キャラメルチョコレートのアイスクリームとスパイシーマンゴアイスの用意もある。日々、料理とワインのペアリングを愉しんでおられる方も、カレーとアイスクリームのペアリングもお試しあれ。

アイスクリームコーナー
スパイス・アイスクリーム

ライスの種類も揃っていたが、パンの用意もあった。パン好きな筆者の目に、チーズパイがロックオン。そのまま頬張ったが、サクサクでチーズの風味が抜群。ナンはないが、「もっちりナン風ブレッド」などホテルメイドブレッドもそろっている。

パン

スパイシーカレーは全10種類。日替わりで5種類のカレーを食べられる。残念ながら、この日は、大好物のラムを使ったカレーがなかった。ラムカレーを食べに、改めてGo To ヒルトン東京。

「華麗なるカレー・マジック」は、当初9月30日までの開催予定だったが、好評につき、10月末まで延長決定。

大好評なことから8月31日(月)からテイクアウトと国内発送もスタート。

ヒルトン東京「華麗なるカレー・マジック」

テイクアウト情報国内発送情報は、ホームページで確認を。

「華麗なるカレー・マジック」
大人2800円、子ども(4〜12歳)1500円(税別、サ別)

●ヒルトン東京

住所/東京都新宿区西新宿6-6-2
電話/03-3344-5111(代表)
営業/11:30~13:30(LO12:30)

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。